この本を読みました。
いわゆる「世代論」の本です。日本のオタク40年史を描いています。こういう世代論が嫌いな人もいますので、押し付けは厳禁ですが、分かりやすくていいと思いました。
原田曜平氏『新・オタク経済』より『第2章「知識」から「態度」へ ~日本のオタク変遷史~』
価格:842円 |
(引用:https://www.pakutaso.com/20160701195post-8400.html)
基本的には「前世代の特徴を次の世代が引き継ぐ」という法則を持っているので、世代間ごとの特徴が分断しているというわけでもありません。
ですから、「自分がどの世代か」という楽しみ方をしつつ、「あ、この気持ちは第○世代的なんだ」など、気付く楽しみがありました。
オタク第1世代 「教養主義」と「選民思想」
年齢
40代後半~50代(20代の子供がいる親世代)
作品
インフラ
インターネット無し。録画機材(ビデオデッキ等)なし。
時代背景
- 日本において「アニメ」や「漫画」が、まだ「文化」として定着していない時代。
- 基本的に「アニメ」や「漫画」は子供を対象とする「エンタメ」の領域を出ず、普通大人になると「卒業」するものであった。
- 「アニメ」という言葉も一般化しておらず、一時的に「テレビまんが」や「マンガ映画」と呼称された。
- また「オタク」という言葉自体登場していない。
オタクの行動(特徴)
- 語るオタク。(好きな作品に関連する引き出しがめちゃくちゃ多い)
- 「アニメは文化だ!」と世間に訴え続けた人たち。
オタクの行動(解説)
オタクにとって不遇の時代である。
「アニメ(マンガ)が好きです!」といい年して言うと相手が「???」となる時代である。
したがって、相手にもわかるように「相手が知っている可能性があるジャンル(文化)」を手当たり次第に引用して、自分の「好き」を語る必要があった。
「これは特撮映画の○○って人が作った作品で~」、「これは小説××のオマージュで~」などと言った感じである。
相手が真っ当な生き方をしている人間であれば守備範囲はあまり広くないので、オタクの側が可能な限りたくさんのジャンル(文化)に精通している必要があった。
このような事情から、この時代のオタクは「博学」であった。
「色んな事を知っている」=「教養」と言い換えてもいい。
すでに「文化」として定着している既存作品を引用しながら作品を読み解き、主張することが第1世代のオタクに課せられた使命である。
作品に目を通す度に「元ネタ、オマージュ、パロディ」の類(原点)などを、その豊富な知識量から探し当て作品を批評的に読み解きつつ制作手法を研究し、自らの言葉に「権威」と「説得力」を持たせようとした。
代表的な人物
まとめ
オタクの原点は、オタク第1世代にあるとみた。
「無限の知識欲」は、オタクを「物知り博士」にした。
そういうオタクに私はなりたい。