整形外科と形成外科は、次の違いがあります。
- 整形外科=骨折、打撲、切りキズ、すりキズ、刺しキズなど「運動機能」を診る外科。
- 形成外科=顔のキズ、生まれつきのアザ、ほくろ、いぼ、巻き爪、ケロイドなど「見た目」の治療をする外科。
端的に言うと「ケガ=整形外科」が基本です。ケガをしたら整形外科を受診してください。
形成外科は「ケガの痕(あと)」を治療する外科なので、ケガをした時にすぐ受診する病院ではありません。
詳しくは下で述べますが、「ケガ」は運動機能の問題(異常)につながるので、専門は「整形外科」です。
ケガをしたらまず「整形外科」に行ってください。
ただし、頭と顔については整形外科の専門外になるので、この点にだけ注意してください。
たとえば頭のケガなら「脳外科(脳神経外科)」が専門です。頭の怪我は「脳」に影響していることも少なくないですからね。
また顔のケガは「形成外科」が専門になるので、覚えておくと診察がスムーズです。
整形外科の専門領域/身体の運動機能が専門
- 骨、関節、筋肉、神経などの「身体の運動器」の機能を診るのが整形外科。
- 身体の「運動機能」の異常が専門。
ケガの具体例
- 骨折
- 解放骨折
- 切断指、肢
- 脱臼
- 関節損傷
- 脊髄損傷
- 捻挫
- 打撲(打ち身)
- 挫傷(肉離れ)
- 創傷(切り傷、刺し傷、擦り傷など)
- 熱傷(やけど)
- 腰の痛み(腰痛)
- 膝の痛み
- 肩の痛み
整形外科のまとめ
上の「ケガの具体例」を見て分かる通り、いわゆる「ケガ」と呼ばれるものは大体ここに含まれます。
骨折とか、打撲とか、切りキズ、すりキズ、刺しキズなどは全部「整形外科」で扱っているのが分かりますね。
なので、「ケガをした! 病院行かなきゃ!」ってときは、まず「整形外科」の受診を検討したほうがいいです。
下で説明する「形成外科」は「整形外科」から分かれた専門分野なので、形成も整形も元々は「整形」でした。
それを踏まえると「整形外科」がまず基本と覚えておいて、下で説明する内容に当てはまるときに「形成外科」を受診するほうが効率的です。
「ケガ=整形」って覚えておけば、迷わないですね。
ただし、頭のケガは「骨」や「筋肉」、「皮膚」、「見た目」の問題にとどまらず、「脳」に影響している可能性を考えると「脳外科(脳神経外科)」を受診すべきです。
また、顔のケガは「骨」や「筋肉」の問題も含めて、「見た目」の問題でもあるので「形成外科」で治療するのが一般的なようです。
「ケガ=整形」と覚えつつ、「頭は脳外科」&「顔は形成」とも覚えておけば完璧ですね。
形成外科の専門領域/身体の見た目が専門
- 生まれつきの異常、怪我や病気で出来た身体の表面上の問題(痣やケロイド)などを治療するのが形成外科。
- 身体の「見た目」の異常が専門。
症状の具体例
- 顔面の傷
- 瘢痕やケロイド
- 母斑
- 皮膚上の腫瘍
- 皮下の腫瘍
- 顔面骨折
- 生まれつきの骨の異常
- ほくろ
- いぼ
- 巻き爪
- 粉瘤
- 口唇裂
- 口蓋裂
- 小耳症
形成外科のまとめ
「症状の具体例」を見て分かる通り、先天的な問題や後天的な問題が基本です。
「ケガや病気で崩れた顔の見た目を元に戻したい」などと言った治療は「形成外科」が専門となります。
また、ヤケドを負って「痕が残ってしまった」という場合の治療も、運動機能の問題というより「見た目」の問題なので形成外科が扱うことになります。
まとめ/「整形」と「形成」は似て非なる全くの別物!
以上、整形外科と形成外科の違いでした。
- 整形外科=ケガ
- 形成外科=生まれながらの異常、ケガの痕
って感じですかね、めちゃくちゃ簡単に言うと。
整形と形成って漢字も似てるし、「せいけい」と「けいせい」で読み方も似てるんで、普段気にしたこと無かったんですが間違うと治療が遅れます。
行く病院間違えますからね。
先日の記事の通り、業務中に手を挟んで「打撲」を負いました。
上司の指示で会社の近くの「形成外科」に行ったんですが、まさかの診療拒否!(拒否というか説明されて整形行ってくださいって言われた)
受付の人が言うには「外観に変化のある怪我じゃないと形成外科では扱えない」とのことでした。
つまり、「打撲」みたいに内出血に留まるものとか、筋肉の問題は体の内側の話だから専門外ってことですね。
言いかたを変えると「もっとエグいことになってないと形成外科では診てくれない」ってことです。
とにかく「形成」は「ケガをした瞬間」に訪れる病院ではないということですね。
上司も僕も「整形外科」と「形成外科」の違いなんて理解してなかったので、今回の件は驚きました。
それと同時に勉強になりました。
「整形外科」と「形成外科」の違いについては上にまとめた通りです。受診するときの参考になさってください。