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【感想】『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』がなかなか面白かった【漫画エッセイ】

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「面白かった」って言うと語弊があるかもしれません。

 

 

筆者のツラい体験談ですし。

 

ただ「カルト」から抜け出した人の素直なエッセイが読める機会はとても少ないので、僕にとってはすごく貴重な読書体験でした(漫画ですが)。

 

なので、あえて「面白かった」と評します。

 

漫画エッセイの形にまとまっているので、「エホバについて知りたいけど活字が苦手なんだよね」って人にもおすすめできます。

 

また、素朴に「駅前で聖書配ってる人とか聖書スタンドの前に立ってる人ってアレなに?」と思ってる人の疑問にも、簡単に答えてくれる本だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ/自分の違和感と向き合う

 

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この本の内容を簡単に言うと、

 

「カルト(エホバの証人)」にどっぷりな母親のもとで育った著者が、子供時代からずっと抱えてきた「(世間と自分が置かれた環境との)違和感」が自身の結婚、子育て、そして子供の輸血拒否問題で爆発し、夫(ちなみにこの人もエホバ信者2世)と協力して信者をやめる。

 

というお話です。

 

エホバの証人の人たちがどういう価値観で動いているのかとか、何を大事にしているのかとか、いかに組織が偏狭かなどを淡々と描いています。

 

ある意味それは「暴露本」なのですが、筆者の生い立ち、そして人生を通して「エホバの証人」とどう向き合ってきたのか、そして熱心な信者である「母親」とどう向き合ってきたのか、をじっくり描いているので非常に読みごたえがあります。

 

ぶっちゃけ、読みものとして面白いです。

 

とにかく「漫画」というのがいいですね。気軽に読めます。

 

個人的に「なるほどなー」って思ったところ

 

非信者を基本的に見下している

 

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「これだからカルトって言われるんだよなあ」って思ったのが、「非信者を基本的に見下している」ところ。

 

結局のところ、エホバを信じている人だけが「まとも」って価値観があるから、非信者は頭がおかしいし、馬鹿だし、目覚めて無いし、真実を知らないし、邪教だし、サタン的だし、俗世を大事にしている愚か者ってわけ。

 

もうそれはボロクソに。

 

あと非信者との接触も極端に嫌う。

 

もちろん子供同士でも絶対遊ばせない。

 

たぶんアニメとか漫画とか読書とかもすごく制限されるんだろうなと思った。

 

一種の情報統制だなあ。

 

もちろん、カルトかどうか関係なくそれぞれの家に「親の方針」ってのがあるから、「クレヨンしんちゃんは見せない(下品)」とか「志村けんのバカ殿様は見せない(下品)」とか色々あるのだけど、それを極端にした感じだね。

 

「あの家は貧乏で汚いから付き合っちゃダメ」とかそういうのも勿論あるのだろうけど、それは大人になるにつれて、人間関係が広がるにつれて「いやいやそんなことないよ」とか思えるのかもしれないけど、エホバの場合は宗教的確信で裏付けされたうえでそういう価値観を子供に叩き込むからたちが悪い。

 

子どもに「もの凄い悪影響」がある気がする。

 

で、信者にとって非信者ってのは「可哀そうな人たち」なわけ。

 

だから「上から目線」で布教しているんだなあ、と僕は感じた。

 

テロを起こすような過激なカルトも世の中にはごまんとあるから、それと比べてエホバは穏便で優しいイメージだけど、その裏にはこういう「どす黒い」ものがあるというのを忘れてはいけないと思った。

 

というか、それくらい強い確信が無ければあんな鉄の精神で訪問活動できない。

 

僕には無理。実質あんなの飛び込み営業じゃん?

 

無理無理無理。

 

布教活動なんてできない。伝道なんてできない。

 

何度も何度もめげずに訪ねて行って、断られるたびに心の中で「かわいそうだなあ。まだ分からないんだなあ。分かるまで教えてあげなきゃなあ」みたいなこと考えてるのかと思うと反吐が出る。

  

 

  

ワープアにしてカルト漬けにする貧困ビジネス的手法

 

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「なるほどお! ぼくもカルトつくるときに参考にさせてもらうわ!」って思ったうまい方法が、貧困ビジネス的手法。

 

エホバはとにかく教会内での活動に重きを置くから、フルタイムで教育を受けることや働くことを嫌う。

 

すなわち、進学に消極的であり、正社員として会社員になることにも消極的である。

 

だから生活が困窮しやすい。

 

いかに高潔な魂を持っていようと、器はまだ「人間」なわけで、肉体は「食料」を欲するから、いよいよとなったら教会からの援助や他の信者を頼るようになる。

 

とすると、教会から抜けたくても抜け出せなくなる。

 

そして、カルト的な価値観に裏付けられた勉強しかしてこなかったから(受けさせてもらえなかったから)ロクな教育を受けていない。

 

ヒドイ言いかたをすれば「無学」な人が多い。

 

だから、2世信者の場合は子どものころからある種の英才教育を受けてしまって、仮に抜け出したとしても非信者が多いこの世の中では生きていけない。

 

まさに生き地獄。

 

やっぱり、教会や信者を頼るしかなくなる。

 

この辺は読んでいて「なるほどな! うまいな!」と思った。(白目)

 

ほんとカルトは害悪でしかない。

 

こんなのお天道様が許すはずがないじゃん。実に悪逆非道。恥を知れ恥を。

 

幹部、聞いてるか? カルト商売をして喰う飯は上手いか? ウマいんだろうなあ。

 

虐待は愛のムチである

 

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エホバの証人は「体罰」が認められているようだ。

 

昭和かな?w

 

平成も終わろうとしているこの世の中に、そんな時代錯誤なwww

 

と思ったが、ホント宗教が絡むとめちゃくちゃややこしいなと思う。

 

ただ子どもを殴ったらそれは虐待であり、親は罰せられるべきだが、そこに宗教的背景があると途端にそれは「信教」の問題になる。

 

判例が色々出ているからもちろん、最悪の場合は「殺人罪」でお縄になるのだが、現実問題「面倒な問題」でもあるので、警察や行政は動きにくいと思う。

 

あと法律でも縛りにくいと思う。

 

結局やってることはただの「虐待」にしか見えないのに、「宗教的な活動」だと思うと悪さが見えにくくなってしまうのはかなり問題だなあと思った。

 

でも筆者は子供を叩けなかった。

 

ここが一番つらい部分だったように思う。

 

違和感はありつつも、「エホバの証人」的なものの考え方が自分の基盤にどうしてもあるから、「叩かなきゃ。殴らなきゃ。思いっきり殴って教育しなきゃ」みたいなことは分かってる。

 

でも、愛する我が子になんでこんなツラい仕打ちをしないといけないのか、みんながそうしているように手を上げなきゃいけないのか、本当に良いのか、と疑問が生じてきてしまう部分が何とも言えない気持ちになった。

 

子どものためを思って「エホバ」/子供のためを思って「脱エホバ」

 

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結局、子供の輸血問題で信者をやめることになるわけだが、もともと筆者の母親も育児に悩んでエホバの証人になっていった経緯がある。

 

ここも実に難しいというか、何とも言えない気分。

 

親として子供を愛するからこそ「なにがこの子のためになるのか」を考えるわけだし、答えを探している。

 

二人の母親が一生懸命考えた結果、それが「エホバ」だったり「脱エホバ」だったりするわけだ。

 

何だかなあと思う。

 

まとめ

 

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 幸せって何だろうね。

 

こんな言葉で締めくくってしまって申し訳ない。

 

 

ああ、あと「闇が深いなあ」って思ったのが筆者が子供時代に経験した「阪神淡路大震災」の経験ね。

 

熱心な信者が死んでしまった一方で、非信者の中に助かった人がいたことに疑問を持って母親に聞いたら怒られたエピソード。

 

あの「勘のいいガキは嫌いだよ」感がたまらなかった。

 

事実として、そこに「地獄」があるわけで、これまで語られてきた「天国」とか「神様」に疑問を持っちゃうのは無理もないよなあ、と。

 

映画『シンドラーのリスト』で、名も無き人物の一人が主人公に対してさらっと言った「もうユダヤの神を信じるのはやめたよ」って台詞が思い出された。(本当のセリフは少し違うけど)

 

 

さすがに目の前の地獄を目にしたら、神も仏も天国も無いよなあ。

 

信じられなくなるよ、神様がいるかなんて。

 

いるなら早く救ってくれよって誰もが思うよなフツーは。

 

それを乗り越えて美談にしてこそ真の信者なのかもしれないけどさ......。