どうも!
魔法少女もの研究家、コモリヤスハルです。
今日は『おジャ魔女どれみ』についてお話しします。
特におんぷちゃんのダークヒーローっぷりが最高にクールなのでその魅力について解説しますね。
結論:おんぷちゃん最高!
最初に結論から言ってしまいます。
「おんぷちゃんのダークヒーローっぷり、最高!」って話です。
いいよね、おんぷちゃん。
『おジャ魔女どれみ』について
「おジャ魔女どれみ」ってアニメ知ってますか?
1999年に無印が放送されて、その後4年間続いたアニメシリーズです。
あの『セーラームーン』をつくった佐藤順一監督の作品です。
僕はこのアニメ好きです。
主人公の女の子が「どれみ」ってキャラなんですが、僕と同い年の設定なんですよね。
『おジャ魔女』世界は、サザエさん時空ではなくリアルタイムに年を取る世界でしたから、最後はどれみちゃんが小学校を卒業して終わります。
おんぷちゃんについて
さて、主人公「どれみ」のライバルとして「おんぷ」というキャラが登場します。
第2期となる『おジャ魔女どれみ♯(シャープ)』から正式に仲間になった感じですが、無印ではいい感じの「悪役」です。利己心の象徴です。
本人の性格も小悪魔系で、とても魅力的なキャラでした。
おんぷちゃんは天才子役です。仕事として芸能界に出入りしています。
本当に小さいころから芸能界にいたので、多少性格が擦れてます。
子供らしくない子供です。
魔法も自分のために使います。
基本的に、みんなのために使いません。
使ったとしても自分のためにもなるからです。自己の利益を優先する子です。
でも、どれみちゃんたちと交流するうちに丸くなっていきます。
仕事上でも良いライバルと出会ったこともあり、魔法ではなく実力で勝負しようとするようになります。
どれみちゃんの無条件の優しさ
どれみちゃんとおんぷちゃん。
2人の「持ち味」が最も現れたのは、無印最後の2話ですね。
無印の最後に相応しいお話をやったと思う。
第50話『最後の見習い魔女試験』
魔女試験の終盤、全員魔法玉が1つになる。(使える魔法はあと1回だけ)
だから、最後の1回は大切にしなきゃいけない。
魔女試験のために使わなきゃいけない。
ここで川で溺れているキツネを見つける。
それを見たどれみは躊躇なく最後の魔法を使う。
試験とは全く関係ないキツネを助けるために。
「最後の魔法なのよ!?」というおんぷの声なんて聞こえていない。
どれみは「人助け(キツネ助け)」に何のためらいも無いんです。
迷いが無い。困っている人がいたら助ける。
すかさず魔法を使ってキツネを助けてあげる。
当たり前のことだけど、当たり前にできない。
僕はそういう後ろめたさを感じます。
とにかくこのシーンが素晴らしい出来。
実にどれみらしい振る舞いを描いていると思う。涙が出る。
そしてそれを見守る友達の表情も素晴らしいね。
あいこちゃん、はづきちゃんの表情と言ったら、もうね。
「どれみちゃんらしいな」そう思ってること疑いない。
はづきは最後の魔法で焚火を出し、
あいこは最後の魔法でタオルを出す。
で、おんぷちゃん。
これまでのおんぷちゃんならここで「バッカみたい」とか、憎たらしいことを言ってどっか行っちゃうパターンだけど、おんぷちゃんも初登場時から変わったんだなあ。
元気にならないキツネを見て、
おんぷちゃんも最後の魔法を使う。
「ミルクよ出ろ!」
「おんぷちゃん!」
「お腹が空いてたのよ」
おんぷちゃんのこの表情、マジで感動する。マジクール。最高。
分かります!? この表情。
言葉に出来ないけどさ、胸が熱くなるシーンなのよ。
目頭熱くなるのですよ!
佐藤順一監督は本当にすごいと思う。
おんぷちゃんの自己犠牲
そして最終話に続く。
この最後の話を経て、おんぷちゃんは正式に『おジャ魔女』メンバーに加わることとなる。
物語のクライマックス。
第51話『さようならMAHO堂』
魔女界のルールでは、自分が魔女(見習い)であることを他人(一般人)に知られてはいけない。
で、この51話はどれみたちの正体がバレるという話。
ここでおんぷちゃんが動くんですよ!
「このままじゃみんなが……」
おんぷちゃんは、みんなの記憶を消去する魔法を使うことにするんですね。
ただし、この「記憶を操作する魔法」は禁断の魔法。
タブーなわけ。だから禁断魔法を使った者は必ず罰を受ける(呪われる)。
でも、そんなことはおんぷちゃんだって十分承知している。
おんぷちゃんには勝算があった。
呪いを受けない「アイテム(お守り)」を持ってたから。
おんぷちゃんは、リスクを計算したうえで禁断魔法を使った。
みんなの記憶は消え、どれみたちは救われた。
おんぷちゃんのこういうところ、すげえ好きです。
ダークヒーローっぽい。(ダークヒロイン)
なんつーか、主人公達が「正義」と知っているからこその、自分のポジション取りというか。
率先して「悪」を引き受けるというか。あるいは今さら生き方を変えられない不器用さというか。
そういう部分、展開が好き。
ところが!
思惑は外れるんだな。
おんぷちゃんはこれまで色々小さな悪事を積み重ねてきた。
だからお守りが限界だったわけ。
お守りは壊れてしまい、
おんぷちゃんは呪いを受ける。
魔女の秘密は守られたけど、おんぷちゃんは100年間眠り続けるという罰を受けてしまう。
さあ、ここで主人公の出番。
今度はどれみちゃんたちの番。
自分たちの「魔女の資格」と引き換えに、おんぷちゃんを助ける。
まさに優しさ。友情。愛。
そして、おんぷちゃんは目を覚ます。
魔女ではなくなってしまったけど、最高の友達ができた。
魔法がなくても、望みは叶う。
そういう終わり方。
第2シーズンがあるからいいんだけど、やっぱりこれで終わってたらバッドEND感が拭えないだろうなあ。
不思議な力を最後に返すってのは、魔法少女もののセオリーだけど、なんか寂しい。
寂しすぎる。
だから2期があって良かった。
変な話、この続きがあるからこのバットENDを受容できる。
まとめ
どれみちゃんとおんぷちゃんを比べて見ていると、すっげえ面白いです。
最高なのは第50話と第51話です。すごい印象に残ります。
未だにここだけ見返したくなる話。
もちろん、ここでは割愛したどれみの妹「ぽっぷ」とか、後の新メンバー「ももこ」とかもいるけど、この4人の時代が長いから思い入れも深いよね。
ライバル時代のおんぷちゃんが見られるのは無印だけだから、やっぱり無印至上主義になりがち。
みんなで観よう!『おジャ魔女どれみ』!
追伸
『おジャ魔女どれみ』のメインキャラは、全員親との関係において何らかの問題を抱えているので、この辺にもスポットライトをあてて記事にしてみたいです。
毒親とまでは言わないまでも、なかなかエグい家族関係の話をたまにぶちこんでくるのが『おジャ魔女どれみ』です。