「面白い アニメ」とかで検索すると「ランキング100!」とか「おすすめBEST50」とかものすごい量のアニメ情報が出てきますよね。
だいたい面白いアニメが紹介されてるわけですが、僕はあえて「マイナー過ぎて出てこない」アニメを紹介したいと思います。(あるいは、不当にランキング下位で紹介されているアニメ)
今日は「舞乙-HIME(マイオトメ)」の話をしたいと思います。
(マイナーかどうかは主観です。僕の友達がみんな「知らない」とか「見たことない」って言います)
(マイナーかどうかは主観です。僕の友達がみんな「知らない」とか「見たことない」って言います)
こんなに面白い! アニメ「舞乙-HIME」を語る
舞乙-HIME(全26話。2005年-2006年放送)
一言で言うと?
核兵器を美少女化してみたwww
可憐な女の子達で考える国際情勢
ストーリー前半は「学園モノ」
このアニメの特徴は前半と後半でガラリと雰囲気が変わるところですね。
前半はハッピー、後半は鬱展開です。
前半はハッピー、後半は鬱展開です。
前半は「可愛い女の子が学園生活をエンジョイしながら一緒にお風呂に入ってキャッキャうふふ」するステキな学園モノです。
この学校は「女子校」なので、男子生徒は不在です。
おまけに自由恋愛禁止です。学外における男女交際はご法度です。
でも、彼女たちは全員うら若き乙女。ちょっと危険な遊び(恋愛)したいですよね?
おまけに自由恋愛禁止です。学外における男女交際はご法度です。
でも、彼女たちは全員うら若き乙女。ちょっと危険な遊び(恋愛)したいですよね?
ドキドキしたい。ときめきたい。
でも周りには女しかいない。ということは……?
もう、あとは言わなくても分かりますよね??? そういうことです。
以上が前半の頭悪そうなストーリー展開です。お分かりいただけたでしょうか。
キモオタからアニオタ、にわかなアニメユーザー、百合厨まで幅広く受け入れる懐の広いアニメ、それが「舞乙-HIME(マイオトメ)」なんです。
ストーリー後半は「シリアス」「鬱展開」
ところが後半が衝撃的です。
謎シリアスに突入します。戦争が始まっちゃうんですね。
謎シリアスに突入します。戦争が始まっちゃうんですね。
一緒に勉強していた仲間同士が敵味方陣営に分かれて殺し合いをする羽目になります。
主人公のアリカちゃん(14歳)も例外ではありません。
大好きな仲間達や親友と戦うことになります。
ただでさえ戦いで忙しいというのに、途中でアリカちゃんは初恋なんかも経験しちゃってもう精神状態はボロボロ。そんな中でも次々に起こる不幸な展開に葛藤しつつ、それでも自分はどうすべきか考えます。決断は常に痛みを伴います。
この世界の設定に「オトメ」という職業があります。
実は前半で描かれている学園モノの「学園=学校」はこのオトメを養成する「オトメ養成学校」のことなんです。
実は前半で描かれている学園モノの「学園=学校」はこのオトメを養成する「オトメ養成学校」のことなんです。
で、この「オトメ」って仕事は要するに「核兵器」ですね。
あるいは「1人で国ひとつ潰せる超強い軍人」ってイメージでもいいです。とにかく「超つええ」ってこと。
あるいは「1人で国ひとつ潰せる超強い軍人」ってイメージでもいいです。とにかく「超つええ」ってこと。
「オトメ拡散防止条約」って言葉が作中に出てくるんですが、まんま「核拡散防止条約」ですよね。政治好きな人向けのギャグですね、きっと。笑っちゃいますけど。
でもこの世界の人たちは至って、真面目です。
「オトメ」は「核兵器(世界そのものを滅ぼしかねない最強の兵器)」なんですから。
「オトメ」は「核兵器(世界そのものを滅ぼしかねない最強の兵器)」なんですから。
物語の前半「オトメ」は、女の子なら誰でも憧れる花の職業として描かれています。
確かに普段のオトメは上流階級の人に付き添うのがメインの仕事なので、社交の場にも出入りします。
確かに普段のオトメは上流階級の人に付き添うのがメインの仕事なので、社交の場にも出入りします。
実に華やかで、オトメじゃない一般人からもかなり人気がある職業です。
そうですねえキャビンアテンダントみたいな感じですかね。(語弊があったらごめんなさい)
「華やかでいいなー」「制服かわいいなー」みたいなそんな感じ。
だからこの世界の女の子達は、小さい頃からオトメになりたいと思っていて、狭き門であるこのオトメ学校を受験して、入学出来たら立派なオトメになるべく一生懸命勉強するんです。
そして晴れてオトメになり、特定の国に就職して平時で一生を終えることが出来れば万々歳。オトメは高給取りですからね。一生安泰。お金的にも確かにいい仕事です。
しかし、問題は戦時。
いったん戦争ともなればオトメは真っ先に戦場へ駆り出されます。
オトメは軍人でもあるんです。
いったん戦争ともなればオトメは真っ先に戦場へ駆り出されます。
オトメは軍人でもあるんです。
「こんなはずじゃなかった!」
誰もが思う。これがこの物語の後半です。
誰もが思う。これがこの物語の後半です。
かわいい女の子たちは大人たちが勝手に始めた殺し合い(戦争)に強制的に参加させられ、友を手にかけることになります。絶望しかないです。
面白い設定:オトメが死ぬと王様も死ぬ
ここでなんと言っても面白いのがこの世界の「戦争」の形ですね。
基本的にオトメ同士の一騎打ちで勝敗を決します。騎士道ですねえ。
基本的にオトメ同士の一騎打ちで勝敗を決します。騎士道ですねえ。
「オトメ」の仕組みなんですが、所属する国の国家元首(国王とか大統領)と命を共有するってものがあります。
要するに、オトメが死ねば元首も死にます。逆もまた然り。
しかも、オトメが受けた傷は元首にも伝わります。
しかも、オトメが受けた傷は元首にも伝わります。
なのでオトメが負傷して痛がれば、元首にも伝わって痛みをシェアするんですね。
まさに運命共同体。一蓮托生。二人三脚。
まさに運命共同体。一蓮托生。二人三脚。
私見ですが、これはナポレオン戦争以前の戦争をイメージしているのではないでしょうか。
ナポレオンの戦争より前の戦争っていうのは、どちらかというと「王様同士のゲーム」です。
ナポレオンの戦争より前の戦争っていうのは、どちらかというと「王様同士のゲーム」です。
戦場で戦うのは貴族であって、平民ではない。
ノブレスオブリージュの原型になった戦争の形です。
ノブレスオブリージュの原型になった戦争の形です。
ところがナポレオン戦争以後は国民戦争という形が主流になった。
貴族や傭兵ではなく、戦争の主体が平民(国民)になったわけです。
貴族や傭兵ではなく、戦争の主体が平民(国民)になったわけです。
だから「舞乙-HIME」の世界の戦争はこのあたりをイメージしているのではないかと思います。王様&オトメでセットとなって戦うさまは、まさに「ゲーム」だったころの戦争です。
一方で「舞乙-HIME」における悪役は、このオトメシステム(オトメ同士の決闘によって戦争する形)の破壊を目的に戦争を始めます。
「オトメ同士で戦争なんておかしい。オトメなんて一切やめて、戦争するなら国民同士ぶつけて戦おうよ」
そういう理屈ですね。
オトメ同士の戦争は、「戦争する」と国家元首が決めたらオトメ同士の交戦になるわけですから危ういっちゃ危ういですが、まあオトメが死んだら国家元首も必然的に死ぬので、結構早めに戦争が終わる仕組みでもあります。
オトメ同士の戦争は、「戦争する」と国家元首が決めたらオトメ同士の交戦になるわけですから危ういっちゃ危ういですが、まあオトメが死んだら国家元首も必然的に死ぬので、結構早めに戦争が終わる仕組みでもあります。
戦争始めたという事実について、王様本人が、大統領本人が命をもって責任とってくれるというわけ。
でも国民戦争になるとそれは総力戦の構えに向かっていくはずですから、収拾が付かなくなる。
うーん、どっちがいいのか、ちょっと考えさせられるテーマでもあります。
(そういうアニメじゃないんだが……)
(そういうアニメじゃないんだが……)
キャラに注目! マシロ姫の「改心」を見てくれ
どのキャラを通して楽しむかなんて、べつに人それぞれあっていいと思いますが、僕はマシロ姫を推しておきます。
マシロ姫は前半においては、実にわがままで愚鈍で無能で、それでいて高飛車で、傍若無人で、粗暴なお姫様として描かれます。(のちに即位して女王となる)
貧しい人たちや貧民街スラムのことなんて全く無視して、贅沢な暮らしに執着します。
しかし、後半においてある国難に直面し、そこでなんと自らが軽蔑していた貧民たちに助けられるんです。
お腹が空いて困っていたマシロ姫に救いの手を差し伸べたのが、邪魔者扱いしていた貧民どもだったわけです。
この展開が泣けるんですよ。
マシロ姫は、貧民たちからとてもおいしいとは言えないメシマズな料理を提供されるわけです。これを、うまいうまいと涙を流して食べるシーンがあって、ここは感動的でした。
他にも色々ひどい目に遭うわけですが、この一件からマシロちゃんは心を入れ替えて、しっかり国のことを考えるようになるわけです。偉いですねえ。(もっと早く気づけよ)
さすがサンライズ! 変身シーンはお手のもの!
作ったのは、ガンダムでお馴染み「サンライズ」です。
「オトメ」の人たちは普段は普通の女の子(女性)なんですが、戦う時は「オトメ」になります。体の中にあるナノマシンがどうとかこうとかという説明は省きます。
「オトメ」の人たちは普段は普通の女の子(女性)なんですが、戦う時は「オトメ」になります。体の中にあるナノマシンがどうとかこうとかという説明は省きます。
要するに、オトメになるにあたっていわゆる「変身」シーンがあるんですが、これはさすがサンライズと言えるクオリティでいい感じです。
控えめに言って、ワクワクする。
残念ながら変身後のコスチュームは、お世辞にもカッコいいとは言えない「クソダサ衣装」なんですが、でもプロセスとして「ガッチャンガッチャン」轟音を轟かせて変身していくシーンは、やっぱりかっこいい! 最高!
男の子なら誰もが心震えるガジェット満載の変身シーンになっています。
「ありか、がんがえー!(アリカ、頑張れー!)」、「まけるなー、やえー!(負けるな、やれー!)」と、幼児退行して応援したくなる。そんなアニメです。
「ありか、がんがえー!(アリカ、頑張れー!)」、「まけるなー、やえー!(負けるな、やれー!)」と、幼児退行して応援したくなる。そんなアニメです。
おまけ:「触手回」も見逃せないゾ!
僕は、謎の「触手回」が気に入ってます。笑
どうですか! この「触手(直球)」www
ストレートな展開が気に入りました。笑
ストレートな展開が気に入りました。笑
まさかこのあと殺し合う展開になるなんて誰も思わないでしょう。
それも合わせて、僕は好きですよ「舞乙-HIME」。