「ざっくり分かるSIMフリー」シリーズ第1回は、基本中の基本「SIMカード」と「MVNO」についての解説です。
「格安スマホ」や「激安SIM」に乗り換えるにあたり、最低限知っておきたいことをまとめています。
【Q】SIMカードってなに?
【A】スマホでの通信を可能にするICチップのこと
スマートフォン(スマホ)には「ICチップ」が入っています。
このICチップが「SIMカード」です。
このICチップには「電話番号」や「契約者の情報」が記録されています。
この情報によって私たちのスマホは特定できるようになっていて、電話をかけたり電話を受けたりすることができるのです。
またSIMカードの情報を使って、データ通信(インターネットの閲覧、メール等)や音声通信(電話)をおこなっています。
さて「スマホ本体」と「SIMカード」は別々のものなので取り外すことが出来ますが、このSIMカードがスマホに入っていないと通信することが出来ません。
したがってSIMカードはスマホにとって非常に重要なものと言えます。
でもSIMカードを私たちは普段直接目にすることはあまりないですよね?
それはキャリアと契約する際、同時に端末を購入することが多いからです。
この場合最初からSIMカードがセットされた状態で私たちの手元に届きます。だから、SIMカードを見ることは無いのです。
またSIMカードには、私たちの情報の他に「使用する回線網」と結びつく「ID番号」が記録されています。
つまり、SIMカードによって「どこの回線」と通信するか決まっているということです。
たとえば、「ドコモのID」がSIMカードに記録されていれば、必ず「ドコモの回線網」を使って通信します。
その場合、auやソフトバンクの通信網は使えません。
また自分でどこの回線網を使うか選ぶことはできません。
この「1つのSIMカード」には「1つの回線網」というセットは、次に説明するMVNOを理解するうえで重要なポイントなので、覚えておいてください。
【Q】MVNOってなに?
【A】キャリアの回線網を借りて通信サービスを提供している会社のこと
「MVNO」は日本語訳すると「仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator, MVNO)」となります。
いわゆる「激安SIM」や「格安SIM」を提供している事業者(会社)のほとんどがこれにあたります。
MVNOは自前の回線設備を持っておらず、大手の携帯電話会社=3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から回線を借りる形態を取っていることがほとんどです。
その分、設備のメンテナンスや人件費にかかるお金が節約できるのでMVNOは多様なサービス、多様な価格設定を展開しています。
ただし、データ通信に比べて音声通信をおこなう場合は借りる設備が多くなってしまうのでその分料金に上乗せされ、通話に関してはMVNOのほうがキャリアより割高な通話料金になってしまうことがあります。
さて、上の【Q】で解説した「1つのSIMカード」には「1つの回線網」が結びつく、という話を覚えているでしょうか。
上の解説の通り、MVNOは既存のキャリアから通信網を借りています。
なので、そのMVNOがどこのキャリアから通信網を借りているかによって、どのSIMカードが使えるのかが決まってくるのです。
「ドコモのIDが記録されたSIMカード」で「auの通信網」は使えません。
ソフトバンクも同じです。
なので、携帯会社を乗り換える場合には「SIMカード」と「回線網(MVNOが借りている回線)」の相性をよく考えて、乗り換える必要があると言えます。
まとめ
- 「SIMカード」とは「スマホでの通信を可能にするICチップのこと」である。
- 「MVNO」とは「キャリアの回線網を借りて通信サービスを提供している会社のこと」である。
- •「SIMカード」と「回線網」はセットになっているので乗り換え時には注意が必要である。
いかがだったでしょうか。
第1回「SIMカード」と「MVNO」の解説は以上です。
格安スマホ・SIMフリーにすると通信費を大幅に抑えることが出来ます。
ぜひこれらの用語を理解し、十分に納得したうえで乗り換えを検討してみてください。