予測値によれば、がん罹患数の第1位は大腸がんである。
がんにかかっている人の中で最も多いのが大腸がんなのだ。
大腸がんになる原因は一つに特定されていないが、適度な運動に予防効果があることは確認されている。
大腸がんは40代から増え始める
年齢別に大腸がんの罹患率を確認すると、30代までは一定なのに対し、40代から少しずつ増え始める。そして50代以降から急激に罹患率が上昇する。
大腸がんは年齢とともにかかる可能性が高くなるがんである。
一方で、大腸がんは不治の病というわけでもない。
性別を問わず、大腸がんの罹患数は死亡数の2倍以上である。
これは大腸がんの生存率が比較的高いことを意味している。
「がんの統計'15」によれば、大腸がんの5年生存率は「75.9%」である。
(ただし、がんの進行(ステージ)による。Ⅰなら99%だが、Ⅳだと18.2%まで下がる)
大腸がんは必ずしも治らないとは言えない。
大腸がんの原因は1つに限らない
大腸がんの原因は複数あり、1つに特定されていないのが現状である。
原因として考えられているのは「食生活の欧米化」や「喫煙」、「飲酒」、「運動不足」などである。
適度な運動は効果的
喫煙は論外としても、そのほかの原因については明確な関連が明らかにされていないので、酒を断ち、和食に切り替えれば万事OKというものでもない。
ただし、適度な運動が大腸がんの予防に効果的なのは間違い無い。
運動をすると腸の動きが活発になる。脂肪が燃焼しやすくなるのだ。
この脂肪燃焼効果が大腸がん予防につながると言われている。
したがって、適度な運動が大腸がんにかかるリスクを下げると言える。
便潜血検査は意外と手軽
大腸がんは早期発見が肝心である。
がんが進行してからでは生存率が著しく下がってしまうからだ。
逆にステージⅠの段階で治療していれば、大腸がんは完治可能である。
とはいえ、いきなり内視鏡検査を受けるのにはあまりに負担がかかる。
そこでまずは便潜血検査を受けることをおすすめしたい。
便潜血検査は、便の中に血液が混じっているかどうかを調べる検査である。
2日分の便を検査することで大腸がんのシグナルを読み取ることができる。
便を検査すると言っても、2日分の全てを病院に提出するわけではない。
便の表面に試験紙をこすりつけて微量を採取するだけでよいのである。
潜血が見つかるのは100人中7人程度(約7%)で、陽性と判定された場合のみ後日精密検査(大腸内視鏡検査)を受けることになる。
内視鏡検査では、大腸内を医師が直接確認するため、大腸がんに限らずポリープ(悪性・良性)、炎症性疾患など腸内の状態を診断してもらえる。
そう難しいものでもないので、年1回の便潜血検査をおすすめしたい。