「から」と「を」の使い分けは3つの考え方があります。簡単に説明すると次の通りです。
【1】移動先(着点)が同時に示されているか?
- 起点と着点が同時に示される場合は「から」を使う
- 着点が同時に示されていない場合は「を」を使う
例文:
× 家を駅に向かう
○ 家から駅に向かう
【2】起点が具体的か抽象的か?
- 具体的な起点には「から」を使う
- 抽象的な起点には「を」を使う
例文:
× 組織から抜ける
○ 組織を抜ける
× 灼熱から抜ける
○ 灼熱を抜ける
【3】意思で制御できる移動か?
- 意思で制御できない移動(受け身)には「から」を使う
- 意思で制御できる移動(自発)には「を」をつかう
× 私は人混みを抜けた
○ 私は人混みから抜けた
【まとめ】
さて、「家を出る」と「家から出る」を考えるにあたって、上記の3つの考え方を当てはめてみましょう。
着点は示されていないのでどちらを使っても良さそうです。ただし、起点となる「家」は具体的なので「から」が適切なようです。ただし、家出をするために「家から出る」場合やひとり暮らしを始めるために「家から出る」場合には、自分の意思を強調する必要性があるので「家を出る」のほうが適切な場合もあります。
文脈によって3つの考え方を使い分けてください。