「アコースティックギター(アコギ)」と「クラシックギター(クラギ)」の違いは、主に4点あります。
それは「ヘッドの形」、「弦の素材」、「ブリッジへの弦の固定方法」、「弾く際のピックの使用の有無」です。
そのほか細かいことですが、「ネックの太さ」と「フレット間隔」にも違いがあります。
以下、それぞれ解説していきます。
ギターの種類として、「クラシックギター」は「アコースティックギター」の一種です。
したがって「エレキギター(エレクトリックギター)」と違い、クラシックギターもアコースティックギターと同様に電気を使いません。
クラシックギターは電子的な増幅をおこなわずに、生の音で演奏できるのが特徴です。
ただし、先に述べたように「アコギ」と「クラギ」には大きく4点違いがあります。
ほとんど見た目で判断できる違いです。
アコースティックギターとクラシックギターの違い
「クラシックギター」は「アコギ」の一種だ
アコースティックギターの範囲は広いです。
▼アコースティックギター
エレキギターで無い限り、アコースティックギターと言えるでしょう。
クラシックギターはエレキではないので、アコースティックギターの一種となります。
▼クラシックギター
クラシックギターを含む「アコースティックギター(アコギ)」とは「電気で音を増幅しなくても演奏できるギター」のことです。
見た目で言うと、クラシックギターとアコースティックギターのボディにはケーブル(シールド)を挿す「穴」がありません。
逆に、ケーブルを挿す穴はありませんが、ボディには大きな空洞があり、そこから音を出すための「大きな穴(サウンドホール)」があります。
アコースティックギターは、指やピックで弾いた弦の音をボディの中で共鳴させ、サウンドホールから大きな音を出して演奏します。
反対に「電気を使うギター」と言えば「エレキギター」ですが、エレキの場合はボディに空間がありません。
▼エレキギター
なので音を大きくするために、電子的な増幅装置を使います。
具体的にはシールド(ケーブル)を使って、アンプにつなぎそこから音を出します。
▼シールド
▼アンプ
電子的な変換をおこなって、大きな音に増幅しているということですね。
アコースティックギターやクラシックギターは、電子的な変換を一切していないので、弦を弾いたときの音、そしてボディで響かせた「生の音」が聴けるのが特長で最大の魅力でもあります。
アコギの別名が「生ギター」というのも納得できますね。
「ソリッドヘッド」と「スロテッドヘッド」の違い
アコースティックギターのヘッドは「ソリッドヘッド」であることがほとんどです。
▼ソリッドヘッド
分かりやすく言うと、「穴が開いてないヘッド」です。
「ペグ(手で回す部分)」を回して「ペグポスト(弦を巻き付けるネジの部分)」に弦を巻き付けて、弦を張ります。
クラシックギターのヘッドは「スロテッドヘッド」です。
▼スロテッドヘッド
つまり「穴(2つの細長い穴)が開いているヘッド」です。
ペグを回して、その穴を貫通する支柱に弦を巻き付け、弦を張ります。
「ナイロン弦」と「スチール弦」の違い
アコースティックギターは、スチール弦(金属製)が一般的です。
▼スチール弦
スチール弦は金属製の弦なので固く、「ギュンギュン」とした音が特徴です。
一方でクラシックギターは、ナイロン弦やガット弦が一般的です。
▼ナイロン弦
ナイロン弦の音は、スチール弦より柔らかく、温かみがあります。
特に音色が優しいのでクラシック音楽やボサノバなど「あまり激しくない音楽」の演奏に向いています。
「ブリッジピンで固定」か「ブリッジに巻き付ける」かの違い
アコースティックギターの場合、ブリッジにはピンが挿し込まれています。弦を固定するときはそのピンに巻き込むように穴に挿し、固定します。
クラシックギターの場合、ブリッジにピンは無く、ブリッジのバーに巻き付けるようにして固定します。
ピックを「使う」と「使わない」の違い
アコースティックギターでは「ピック」を使って弾くことが多いのです。
しかし、クラシックギターでは「ピック」を使わず指で弾いて演奏します。
ネックの太さとフレット間隔にも違いがある
ここからは補足ですが、アコギとクラシックギターを比べると「ネック」と「フレット」にも違いがあります。
やや見分けが難しいですが、こんな違いがあります。
ネックの太さの違い
アコースティックギターのネックは「細い」です。
クラシックギターのネックは「太い」です。
(アコースティックギターとクラシックギター比較解説 ミュージックサロン本八幡 店舗情報-島村楽器)
フレット間隔の違い
アコースティックギターのフレット間隔は「広い」です。
クラシックギターのフレット間隔は「狭い」です。
(アコースティックギターとクラシックギター比較解説 ミュージックサロン本八幡 店舗情報-島村楽器)
まとめ
- クラシックギターはアコースティックギターの一種である。
- クラギのヘッドには穴がある。アコギには無い。
- クラギの弦はナイロン。アコギはスチール。
- クラギにはブリッジピンが無い。アコギにはある。
- クラギはピックを使わない。アコギは使う。
- クラギのネックは太い。アコギは細い。
- クラギのフレット間隔は狭い。アコギは広い。