2011年に発生した『東日本大震災』から今年で6年。
震災以降生まれた子供の数はおよそ600万人なので、日本国民の約5%が「あの日」を知らない計算になります。
しかし逆に言うと、日本にいる人の95%が年齢を問わず共有している記憶が「東日本大震災」でもあります。
これだけ世代を超え、地域を超えた記憶というものはあまり例が無いかと思います。
「東日本大震災」の基本的な数字を振り返ります。
発生時刻
平成23年(2011年)3月11日 14時46分(午後2時46分)
震災名と地震名
地震の名前は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」です。
(英名:The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake)
それによって引き起こされた災害名(震災名)は「東日本大震災」です。
(英名:The Great East Japan Earthquake)
地震名の発表(3月11日)から震災名の発表(4月1日)までは期間が開いたため、各報道機関によって「地震名」は異なっていました。
(東北関東大震災、東北・関東大地震、東日本巨大地震など)
政府による地震名発表以降は、各社これにならう形で名称は統一されています。
ちなみに現在では地震名も含めて「東日本大震災」と呼ぶことが多いです。
英語名称について
公式に、地震名は「The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquak」で、震災名は「The Great East Japan Earthquake」です。
しかし海外において「東北」や「東日本」といった名称の知名度は低いため、一般に「Japan Earthquake(日本地震)」として報じられました。
マグニチュード
マグニチュード9.0
(正確には「モーメントマグニチュード9.0/Mw9.0」です)
これは、日本における観測史上最大のモーメントマグニチュードです。
世界的に見ても珍しい「巨大地震」
世界的に見ても「Mw9.0」という数字は、1900年以降の過去100年間の観測データを見ても、史上4番目に巨大なエネルギーでした。
- M9.5 1960年チリ地震
- M9.2 アラスカ地震
- M9.1 スマトラ沖地震
- M9.0 平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
マグニチュードが何度も修正された
気象庁は、もともと独自のスケール(気象庁マグニチュード)を使って地震のマグニチュードを観測しています。
当時も同様にマグニチュードを観測していましたが、発生した地震のエネルギーがあまりに巨大だったため地震発生時に正確な観測ができませんでした。
また地震の規模があまりに大き過ぎたため、地震計が振り切れてしまい、国際的なスケール(モーメントマグニチュード)に切り替えて計測することも出来ませんでした。
地震発生後、国外の観測機関のデータを集めながら正確なマグニチュードの測定を進めていった過程が、度重なる修正につながったと言えます。
3月11日
- 14時49分 「気象庁マグニチュード 7.9(速報値)」気象庁発表。
- 16時00分 「気象庁マグニチュード 8.4(暫定値)」気象庁修正。
- 17時30分 「モーメントマグニチュード 8.8(速報値)」発表。
3月13日
- 12時55分 「モーメントマグニチュード 9.0(確定値)」発表。
マグニチュードの限界は「12」
ちなみに、マグニチュード(Mw)という単位は「12」が最大です。
なぜなら「Mw12」は「地球が真っ二つに割れたときの地震」に匹敵するからです。
なのでマグニチュード「13」は、地球が崩壊した後の話ということになり議論が無意味となります。
- マグニチュード 9.0 平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
- マグニチュード 9.1 1960年チリ地震
- マグニチュード 10(地球上で起こることが想定される最大規模の地震)
- マグニチュード 11(小惑星が地球に落下し恐竜が滅ぶレベルの地震)
- マグニチュード 12(地球が物理的に二つに割れるレベルの地震)
震度(最大)
最大震度7(宮城県・栗原市)
- 震度6強 4県37市町村
- 震度6弱 8県72市町村
各地の震度
津波の高さ(最大)
最大9.3m以上(相馬)
3月11日15時51分に相馬市で観測された津波の高さ。
観測所も被災したためデータ取れず
気象庁の発表では「9.3m以上」となっています。
これは観測施設自体も津波により被害を受け、一時的にデータを取得できなかった時間があるためです。
なので実際には9.3m以上の津波が到達していた可能性がある、ということで「9.3m以上」となっています。
死者数
19,533人(2017年3月1日現在)
震災関連死3,523人も含めると、死者数は23,056人となり2万人を超えます。*1
関連死
災害の直接的な被害(焼死、溺死、圧死等)ではなく、避難中や避難後に災害との相当な因果関係(災害が無ければ死ななかったような原因)が自治体に認められた死因のこと。
特に、災害が地震の場合は「震災関連死」と言う。
例
- 常服薬が飲めなかったために持病が悪化した死。
- 避難生活中のエコノミークラス症候群による死。
- 栄養失調などによる衰弱死。
行方不明者数
2,585人(2017年3月1日現在)
5年以上たった今でも3,000名近くの方が行方不明のままとなっています。
建物の被害
全壊121,768棟(2017年3月1日現在)
これは、北海道で過去4年間(2013年7月~2016年12月)に建てられた住宅の数「121,430戸」より多い数です。*2
編集後記
原発事故関連については省略しています。
と言うのも、ちょっと資料が膨大になり過ぎてまだまとめきれてないからです……。
個人的に震災の記憶と共に想起されるのはあのCMです。
そう、ACジャパンによる公共広告「あいさつの魔法。」です。
今でも鮮明に覚えています。
また筆者は札幌在住者なので、震災翌日に開通した「札幌駅前通歩行空間(札幌駅⇔大通駅)」の印象も強いです。未だに通るたびに震災を思い出します。
「開通セレモニー」が自粛により中止になったことをよく覚えています。
明日11日14時46分には追悼式典が執り行われる予定です。
黙とうを捧げましょう。