バトル漫画(アニメ)において「強い敵に勝つというシチュエーションを描くことで、主人公の成長や強さを描きたい」と考えるとする。
すると必然的にまず「強い敵」が出てくることになる。敵は強ければ強いほどが良い。登場時の絶望感、そこから倒したときの達成感が大きいからだ。そこから主人公の挑戦が始まる。
ところが強い敵であればあるほど、「じゃあどうやって主人公は勝つのか」という部分の描き方が難しくなってくる。簡単に負けてしまっては「強い敵」とは言えない。しかし主人公に勝たせないと物語がなかなか進まない。停滞の原因となり得る。またその「強い敵」がラスボスだった場合は、終盤の展開=結末なので「(敵の)倒され方」は重要である。このように「強い敵をどのように主人公が倒すか」という問題が発生してくる。
これを「ギルガメッシュ問題」と名付けることにしよう。
由来はむろんFateの英雄王ギルガメッシュだ。ギルガメッシュは確かに強い。だから衛宮士郎は苦労する。もちろんFateにおいても「ギルガメッシュ問題」が発生している。
解決策は「慢心」である。常にギルガメッシュはその尊大さゆえに「慢心」し破れる。というかUBWにおいては最後は穴に落ちて消えた。固有結界に引きずり込んでもなお完全に倒し得なかったギルガメッシュは穴に落ちて退場したのだ。
Fateにおいて「ギルガメッシュ問題」はこのように「回避」した。
何が言いたいかというと、結局最後まで士郎がギルガメッシュを倒すことはなかったわけで、個人的にギルガメッシュ問題の解決に失敗していると考える、と主張したい。