お馴染みの「マズローの欲求ピラミッド」ですが、最近ちょっと新しい概念が登場しました。それが「ケンリックの欲求ピラミッド」。
Twitterを見て知ったのですが「興味があればこちらもどうぞ」とのことで、元になった論文も紹介してる人がいました。
なるほどね~と思ったので、記録しておきます。
ケンリックの欲求ピラミッド
マズローの欲求ピラミッドからケンリックの欲求ピラミッド (D.Kenrick 2010) へ。生物学や進化の理論を取り入れなかったマズローの欲求理論を廃して、進化心理学は生物学的証拠に基づく新しい人間の欲求階層理論を提示する。欧米のマーケター界隈ではすでにこっちのピラミッドが取り入れられている。 pic.twitter.com/xHE3OO12rd
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 4, 2019
興味がある人が多そうなので元ネタ論文足しときますね。これについてのnoteもそろそろ上げる予定。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 6, 2019
>Renovating the Pyramid of Needs: Contemporary Extensions Built Upon Ancient Foundationshttps://t.co/WCaJLlMXU3
なんか勘違いしている人が多いので指摘しておきますが、進化心理学でいう「配偶者」とはかならずしも夫や妻といった婚姻パートナーを指すものではありません。 pic.twitter.com/OxcR1BSkFF
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 8, 2019
ケンリックのピラミッドのneeds(欲求)という概念は、進化心理学のフレームワークからこういうふうに理解してください。https://t.co/l3PUmDqObc
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 9, 2019
サピエンスは、人間が「持つべき」欲求についてはよく理解しているが、実際に自分が「持っている」欲望についてはあまり自覚しないように進化している。進化心理学者は、このことを脳にインテンショナルスタンス(=他者の意図を読み取る)という認知フォーマットが進化的に備わったせいだという。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 6, 2019
つまり、「意識」の脳領域にわざわざ自分の欲望や"生物学的な本音"を浮上させるように進化するメリットがサピエンスには無かった。意識すれば、心が読まれてしまうので、不利になる。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 6, 2019
これはマーケティングのインサイト理論などともつながる話。ヒト(顧客)は、自分がほんとうにやりたいこと、したいこと、求めていることを、自分でもよくわかっていない。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 6, 2019
ケンリックの欲求ピラミッドの欲求(needs)とは、進化心理学でいうところの「生物学的動機」を指すものだと理解していただければ分かりやすいと思います。たとえば、「友達とカフェに行きたい」というのは協力関係の欲求という生物学的動機が裏で働いていたりします。https://t.co/Zhpg0PiCXc
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 10, 2019
進化心理学(EvoPsy)のピラミッドでは、マズローが言った “社会貢献のニーズ(=欲求)” が消えたことに不満を覚えている方が多いですが、「人間は社会貢献したいという気持ちを持たない」とEvoPsyは主張しているわけではありません。社会貢献することで得られるものの方を求めているというだけです。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 11, 2019
この辺をつなげておきます。;https://t.co/8sle1xpn8N
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 11, 2019
アダムスミス的な解釈で大丈夫です。ただし、アダムスミスは「パン屋は金が欲しくてパンを焼く」としましたが、進化心理学では社会貢献や地域とのふれあいのためにパンを焼く人もいると考えます。ただしその行為は、"評判" とか "善意の保険" となって、統計的にその人の進化ゲームを有利にします。 https://t.co/MkHfEuIO7J
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 11, 2019
マズローの欲求理論がなぜダメなのか?は、そもそも「欲求とは進化が生じさせたもの」という事実に気づいていないと分からないものかもしれません。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 12, 2019
生物とは何?生物に欲求や情動があるのはなぜか?について進化生物学の基本から簡単に説明したので参考にしてください。https://t.co/9HtylUt6FT
“利己的な遺伝子” 概念のカンタンな概要をまとめたもの。これは進化心理学の基礎になっている。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 10, 2019
>われわれは何者か?──生物とは遺伝子の容れ物となるための「バイオマシン」だ:後編 Part.3 生存機械と不滅のコイル|Ore Chang @evopsychologyst|note(ノート) https://t.co/rOU0hQJpCT
“ 彼らはあなたのなかにも私のなかにもいる。彼らは「私たち」を────身体と心を生み出した。そして彼らの維持こそ、私たちの存在の最終的な論拠だ。”
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 10, 2019
“ 彼らは自己複製子として長い道のりを歩んできた。いまや彼らは「遺伝子/Gene」という名で呼ばれており、私たちは、彼らの生存機械なのである。”
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 10, 2019
(R.Dawkins 1976) pic.twitter.com/LA8yPVwCUL
いま世界中で注目されている進化心理学(EvoPsy)とは、心の進化的設計や感情システムの機能を明らかにし、サピエンスの行動ロジックを “隠れた生物学的動機”から理論立てていく学問です。
— Ore Chang(EvoPsy) (@selfcomestomine) September 10, 2019
サピエンスの21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」が支配する時代になるhttps://t.co/pJzlRKM0Jq
まとめ
はえ~