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アダムズ方式ってなに? 1人でもいれば切り上げて1議席もらえます!


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「アダムズ方式ってなんだろう……」と思っていたのですが、最近読んだこの本のコラムがなかなか分かりやすかったので紹介します。

 

高校生のための選挙入門 [ 斎藤一久 ]

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以下、本の内容そのままですがお付き合いください。
もっと簡潔に読みたい人は本を読んでください。笑。

 

ストーリー仕立てで紹介します。

 

費用は「誰」が「いくら」出す?

 

むかしむかし、あるところに「ほのか村」「うみ村」「ことり村」という3つの村がありました。

 

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3つの村のちょうど真ん中あたりには「ライブハウス」が建っています。

 

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さて、このライブハウス。
「近ごろ老朽化してきたので建て替えたらどうか」という意見が住民から寄せられました。


3つの村の村長は、協力して建て直すことに決めました。

 

調査の結果、費用は3,000万円かかることがわかりました。
後腐れなく公平に、みんなが納得できる費用分担のためには、
3つの村はそれぞれいくら負担すればいいでしょうか。

 

委員10人をどう割り当てるか⇒人口比で

 

費用の分担について、
3人の村長だけで決めると「密室で決めた!」などと批判されてしまいます。


なので村長たちは「費用分担をどうしたらいいか話し合う委員会」を別につくって、その人たちに任せることにしました。

 

この地域は顔なじみが多い地域です。
委員が10人くらい集まれば、その人たちの人脈で幅広い意見を集められると考えました。

 

委員は10人に決まりました。

 

さて、委員10人の割り当てですが「人口に応じて割り当てたらどうか」という意見が住民から挙がりました。なのでその通りにしました。

 

ほのか村に1000人、うみ村に800人、ことり村に200人が住んでいます。
3つの村の人口は全部で2000人となります。

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人口の比率は「5:4:1」です。
この比率を委員の人数と考えるとちょうど10人になります。

 

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ということで、

 

ほのか村には「5人」、うみ村には「4人」、ことり村には「1人」の委員が割り当てられました。

 

費用をどう負担するか⇒人口比で

 

委員の割り当ても無事決まったところで早速、話し合いをしました。

 

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ことり村の委員が言いました。
「一番多くの住民が使ってるんだから、ほのか村が全額負担しろ!」
当然、他の委員が反対します。

 

揉めた一幕もありましたが、
最終的に費用3000万円についても人口比に応じた負担で決着が付きました。

 

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人口比に応じて委員を話し合いに送り込み、
話し合いの結果、費用も人口比で負担することになった――。

 

どの村の代表も話し合いに参加しているので、全員が納得しました。
村長たちもひと安心です。めでたしめでたし。

 

さて、3人の村長はこの方法が思いのほかうまくいったのを見て、これからもライブハウスに関しては委員を集めて決めてもらうことにしました。

 

そこで1つルールを決めました。
今回は「人口2000人に対して委員10人」を選んでいます。
なので「200人につき1人委員を出す」という基準です。

 

「これからはこれでやっていこう!」
和やかなムードで委員会は解散しました。

 

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30年後…… ことり村から委員が出せない!?

 

月日は流れ、ライブハウスの建て替えから30年が経ちました。
また建て直そうということで、委員を集めて話し合うことになりました。

 

ところが、ここで困ったことが……。
全体の人口は変わりませんでしたが、2つの村の人口が少し変わっていたのです

 

ことり村からほのか村に100人引っ越していたのです。

 

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30年前に3つの村で決めたルール(200人で1人という基準)を当てはめると、ことり村は100人に満たないので委員を出せないことになってしまいます。

 

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ことり村では……

 

「冗談じゃない! 村から代表を出してないのに、カネだけ出せなど納得できんわ!」
ことり村の人たちは、もうカンカンです。

 

ほのか村では……

 

悪知恵が働く人が、ほのか村にはいました。
「ことり村は委員を出せないらしいな。反対する人もいないだろうから、ことり村が全額負担する案を出そう。30年前の仕返しだ!」

 

うみ村では……

 

人口に変化の無かったうみ村。
従来の基準でも委員の数が変わらないので公平な判断ができそうです。
2つの村の村長が助けを求めてやってきました。

 

困ったのはうみ村の村長です。
果たして「小数点以下」は「何人」なんだ?

 

「0.5人」は「0人」なのか「1人」なのか……
考え込んでしましました。

 

老師、現る

 

???「小数点以下を切り上げるのじゃ……」

 

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通りすがりの老人がそう言いました。

 

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ことり「やったあ! これならウチも1人委員を出せるよ」
ほのか「じゃあウチは6人だね」

2人は納得したようです。

 

一方、うみ村の村長は気づきました。
「委員の合計が11人になってしまいます。席が足りません……」

 

ことり・ほのか「「確かに……」」

 

そうです。
会議室の椅子は10脚しかありません。これでは1人座れないことになってしまいます。

 

また繰り返しになりますが、全体の人口は2000人で30年前となんら変わりません
30年前は「2000人で10人」だったのに、今回は「2000人で11人」というのも変な話です。

 

うみ「やはり委員は10人にしないと……」
老人「そうじゃ。だから基準値を変えるのじゃ。『切り上げ』を前提に基準値を変えてごらん

 

基準値を10増やし「200」⇒「210」で計算してみました。

 

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ほのか「やっぱりだめじゃん!」
ことり「(つд⊂)エーン」

 

うみ「ちょっと待ってください。僅かですが小数点以下の値が小さくなっています。もしかして……」
老人「ほっほっほっ(温かく見守る顔)」

 

うみ村の村長が再度計算してみました。
基準値はさらに10増やして「220」です。

 

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うみ「できました! これなら、どの村からも1人は委員が出せます。合計も10人に収まっています! いけます!」

 

ことり・ほのか「「すごい! やったね!」」

 

うみ「失礼ですが老師、あなたのお名前は......」

 

老人「ワシかね? ワシは――」

 

老人の名前は、ジョン・クィンジー・アダムズ。
第6代アメリカ合衆国大統領である。

 

▼ジョン・クィンジー・アダムズ(John Quincy Adams 1767~1848)

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彼が提唱したといわれるこの方式は、のちに「アダムズ方式」と呼ばれる......。

 

まとめ

 

要するに「切り上げを前提に考える」ってことと「小数点以下は1人として扱う」ってことですね。

 

で、帳尻は「割る数(基準値)」を調整して合わせるよ、ということ。
なので極端なことを言えば1人でも住んでいれば1枠もらえるってことになりますね。

 

2020年以降、国勢調査の結果に基づいて衆議院議員選挙でこの「アダムズ方式」が使われるそうなので覚えておきましょう。

 

まあ……
また忘れたころに話題になるのでしょうが......

 

ちなみに今回の費用分担も「人口比に応じて」ということに決まりました。
ことり村からも委員が選出され牽制できたので「ことり村に全額負担させようぜ!」という意見は出ませんでした。


めでたしめでたし。