映画『奴らを高く吊るせ!』を観たのでその感想を述べます。
映画『奴らを高く吊るせ!』観た
— コモリヤスハル (@yass_cample) January 12, 2019
まあまあかな。
冤罪で吊るし首になりかけて、リンチした連中に対する復讐劇なのは良かった。途中から判事がちょっとおかしいやつだってきがしてくるあたりも含めて。あと処刑がエンターテイメントになってる部分も。
映画『奴らを高く吊るせ!』の感想とネタバレ
この映画って『牛泥棒』と対になってるよね。
まあクリントイーストウッドが作ってるんだから、そりゃそうなるでしょうけど。
牛泥棒のシナリオにそっくりだと感じた。
クリントイーストウッドが牛泥棒と間違われて吊るされて、死ぬ寸前で通りすがりの保安官に助けられて、裁判にかけられる前に真犯人が捕まって縛り首にされて、無罪放免。
逆に、自分は保安官になって自分をリンチした連中を探し出して復讐しようとするって展開。
まさに映画『牛泥棒』のアナザーストーリーをやってる。牛泥棒生存ルートみたいな。
あとクリントイーストウッドがつくってるだけあって、『許されざる者』に出てくる保安官のような「独善的な」人物が、この映画だと「判事」だね。
社会の状況から仕方ないのかもしれないけど、18歳の男と16歳の男を「牛を盗んだ罪」で縛り首(=死刑)ってのは、ちょっと釣り合わないよな。
やり過ぎ。
このあたりからクリントイーストウッド演じるクーパー保安官が、判事に対して不信感を抱くんだよなあ。
ただ、復讐劇としてはイマイチな印象が否めない。だって敵の親玉は「自殺」で終わっちゃうからね。
その他のメンバーも微妙な死に方してるし。改心した者もいるし。なんかすっきりしない終わり方だった。
リンチするときは正義の名のもとにイキってたけど、実は気弱なおっさんどもでしたって感じを出すなら、もっと惨めにみっともなく命乞いをするシーンをバンバン追加するべきだったと思った。
そしてラブロマンスよ。あれいるの? 余計な気がする。
ただ、ラブロマンスが邪魔な気がしてならなかったかな。あれいるの?いらない気がする。
— コモリヤスハル (@yass_cample) January 12, 2019
あと主犯格の最期もあんなだし、もっと命乞いぐらいするみっともない終わり方にしてくれないと気持ちよく終わらない。リンチするときは気が大きかった連中も、冤罪だと分かってからのおどおどが良いのに。
まとめ
この映画の中の雰囲気として「縛り首の公開処刑」が一種の娯楽になってる点が、今の価値観とちょっと違うんだなあって感じた。当たり前だけどさ。「間違ってる!」とかそういうアホみたいなことを言うつもりは無くて、今の価値観と随分違うなあって思い。
まあ相手は極悪人の悪党なのかもしれないけど、縛り首になる人の姿を観ながらホットドック食って、スポーツ観戦する気分で観てらんねえよな普通。
吐き気がしそう。
被害者の立場でも、なんとなくあの姿を見せられたら王とするんじゃないかな。『グリーンマイル』の処刑シーンのように。
人殺しは惨たらしく殺されるべきで、この世からいなくなったことをもって留飲を下げるのかもしれないけど、自分はその場にいたくないし、ましてや自分が手をかけるのは御免被りたいって人のほうが多いんじゃないだろうか。
でも惨たらしく殺されるべきかどうか、誰が裁くのか。誰が決めるのか。絶対に間違わないと言えるのか。そういう問題が常につきまとうよね。普遍的なテーマだったとは思う。