去年公開されたアニメ映画「魔法少女リリカルなのは Reflection」を今さらながらDVDを借りて観てみました。
どんな話だったか、まだ見てない人向けにひと言で説明すると
ねらわれた、はやて!
奪われた『夜天の書』!
って感じですかね。
「なのはの映画、どうよ?」って人向けに、以下サクサクっと感想を書いていきます。
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劇場版「魔法少女リリカルなのは Reflection」感想
全体的な印象
今回の映画は1stや2ndと違って全編オリジナルのストーリーということで、前作、前々作には無い「はやて」がヒロインポジションで敵に狙われるって展開が新しかったです。
敵として登場するキリエちゃんが、綿密な計画を練ったうえで襲ってきてるから知的な犯行なんですよね。これが面白いなって。
当然、ヴォルケンリッターの3人+犬も頑張ってはやてを守るわけですが、どちらかというと今回は、なのはやフェイト、そして新キャラのフローリアン姉妹、イリス、マテリアルズ、ユーリなどに見せ場を譲った感じで、ちょっと弱めに調整されてる守護騎士たちだったかなあ。
2年前にテロ活動をしていたとは思えない弱体化。
やんちゃしてたあの頃を思い出して欲しいなって思いました。笑
ネタバレするとまあ結局、守護騎士も負けて、なのはも負けて、フェイトも負けて、はやても瞬殺で、夜天の書は敵の手に落ちるわけです。
今までにない流れで物語が展開する感じですね。この辺は観てて面白かったです。
やっぱり敵を迎え撃つ側の「なのは」や「フェイト」のバトルシーンは何度見ても熱いなあ。
なのはファンやっててよかったです。
あとフェイトに関して特に言うとすれば、あの「プレシア事件」から2年後って設定なんですよね。だからフェイトの中ではトラウマ級の「心の痛み」が全然癒えてない。
この辺の事情もにじんでいて、いい感じでした。
10年後のstsの世界ですらまだ完全には癒えてないんですから(というか癒える日は来ない気がするけど)、たった2年ぽっちで癒えるわけがないというねwww
しかも今回の敵「キリエ」ちゃんは、フェイトが過去犯罪に手を染めたときの事情とかなり似てる。フェイトも同情を禁じ得ない。だから敵側に「見逃して欲しい!(懇願)」ってやられたら、フェイト自身が対処に困るんですよね。
この辺もなかなか目頭が熱くなる展開でした。
やっぱりフェイトが一番好きだわ。(告白)
新キャラについては、PSPのゲームからキャラを逆輸入したと聞いて「う~ん、それってどうなのかなあ……」なんて思って観てましたが、あまり期待していなかったからこそ期待以上のものが得られて、面白かったなあと感じました。
やっぱり腐っても「なのはブランド」ですね~!www
「なのは」は、いいぞ。
観て良かったです。
個人的に気に入ってる名シーン、見どころはいくつかあるんですが
ここでは特に3つ厳選して紹介します。
ラインナップは以下の通り。
- まさかの「全員倒される」展開(敵が強すぎるwww)
- フェイトもなのはも顔をぶん殴られて倒されるwww
- 最弱リインが最後まで戦う涙ぐましい展開
仮にストーリーがあまり気に入らなかったとしても、この辺のシーンが見れれば大きな収穫なんじゃないかと。
なのはファン必見です。
まだ見てない人はお早めにどうぞ!!!
「魔法少女リリカルなのは Reflection」のあらすじ
見どころシーンを説明する前に、軽くあらすじに触れておきますね。
見どころのことだけ抜き出しても全体の流れが分かってないと「アツさ」がよく分からないと思うんで。
箇条書きで簡単にいうとこんな感じ。(ちょっと長いですが。ごめんなさい)
- 惑星エルトリアは環境破壊や砂漠化、それに伴う過疎化が年々進行しており徐々に人が住めない星になりつつあった。
- 惑星エリトリアを緑豊かな元の状態に戻すべく、とある科学者夫妻が研究を重ねていた(フローリアン夫妻)。
- しかし10年の研究も空しく状況は一向に好転せず、それどころか夫のグランツ・フローリアンが不治の病に侵されてしまった。
- グランツの余命は1年程度、寝たきり生活を余儀なくされた上、口もまともに利けず、惨めな状態のままあとは死を待つだけとなってしまった。
- 長女のアミティエ・フローリアン(19)とその母は今後について話し合い、他の住民たちと同じように惑星を離れ、衛星軌道上のコロニーへ移住し、父の療養も兼ねてそこで新しい生活を始めようと考えていた。
- ところが、世のため人のために尽くした父がこんな最期を迎えることに全く納得できない妹のキリエ・フローリアン(16)はアミティエに反抗し、故郷も父も救う方法を懸命に探した。
- キリエの幼いころからの友人であり、人工知能でもあるイリスからもたらされた情報によれば「夜天の書」と「永遠結晶」なるものを使えば目的は果たせることが分かった。キリエはその可能性に賭けることにした。
- キリエとイリスは協力して地球に来訪し、無関係な人を極力傷つけずに「高町なのは」や「フェイト・T・H」を排除し、やっとの思いで「八神はやて」から夜天の書を奪い取ることに成功する。
- 夜天の書を手に入れたイリスは「ディアーチェ」や「シュテル」、「レヴィ」を呼び起こし、陽動作戦を展開。
- なのはら管理局側をディアーチェのほうへくぎ付けにした。
- なのはがシュテルを倒し、フェイトがレヴィを倒し、はやての前からディアーチェが戦略的撤退を開始したころ、ついにイリスとキリエは永遠結晶にたどり着く。
- しかし、ここにきてイリスはキリエを裏切った。個人的な「復讐」に永遠結晶を使うことを宣言。
- イリスは永遠結晶に封印されていた仇・ユーリを解放し、同時にユーリを自らの意のままに操ることで、なのはら正義の側に圧倒的な力の差を見せつけた。
- しかし、なのはは事前にアミティエに協力を要請しており、戦闘が始まる前にレイジングハートを改修していた。
- なのはがイリス&ユーリに唯一対抗できることが明かされ、終幕。
- 続きは次回作でどうぞ。
大体の流れはこれで押さえられたはず。
最初は「キリエ」が悪で、イリスはその協力者(ブレーン)って感じで話が進んだ。
ところが、キリエが夜天の書を奪った辺りから「ディアーチェ、シュテル、レヴィ」の3人の敵が増えて話が複雑になっていった感じかな。
続く、キリエとイリスが永遠結晶にたどり着いた辺りからは、もう怒涛の展開だったね。
イリスの裏切りがそもそも突然のことだったし、最凶&最悪の存在ユーリとかいうキャラもぽっと出のくせに超絶強いし、もう最後の15分がめちゃくちゃだった印象。
とりあえず、今回の映画で一番可愛そうだったのが「キリエ」。
だから「キリエ」さえ押さえて観てれば、なのは映画を堪能できるはず。
なのは映画の醍醐味は「可哀そうな女の子」だからねwww
キリエは1stで言うところの「フェイト(背後にプレシア)」のポジション。
2ndで言うところの「シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ(背後に八神はやて)って感じだね。
そして、なのはシリーズ伝統の「敵側の事情」。
今回も当然のごとく敵側にも「やむにやまれぬ事情」があって、悪さをしています。
フェイトだって好きで異次元渡航してきたわけじゃないし、守護騎士たち(ヴォルケンリッター)だって好きでテロ活動してたわけじゃないよね。
あれと同じ。
キリエちゃんに注目して見てくれ。
【見どころ1】まさかの「全員倒される」展開(敵が強すぎるwww)
僕が思うに、この映画の一番面白いところって5分くらいなんだよね。
具体的に数字で言うと、中盤43分から48分。わずか5分間の戦闘シーンだね。
ここが面白いからぜひ見てほしい。
キリエの圧倒的な強さが分かる、狂おしいほど好きなシーンなんだ。
見どころとして一番最初に伝えたい。
フルドライブとかオーバードライブとかそういう最大出力で戦っていたキリエが、さらに奥の手として「バーストドライブ」で戦うシーン。
滅茶苦茶強くて笑ったわwww
ガチで全員倒されるからね。
(※アルフのみ戦闘には参加してないのでアルフ以外倒された)
守護騎士全員で殴りに行くんだけど、これがあっさりボコられるんだよねwww
でさ、個人的にはこの「倒される順番」にも意味がある気がしてるんだ。
まず「シャマル&ザフィーラ」が倒される。
この2人はまあ、前衛のヴィータとかシグナムに比べると弱いから、先に倒しても後に倒しても別にどっちでもいいんだろうけど、シャマルもザフィーラも「サポート」が後々ウザいんだろうね。
結界張ったり、パワーアシストしたり、作戦考えたりしてさ。
だから最初に潰したんだと思う。
キリエは綿密に調べたうえで戦っている設定だからね。このくらいはあるでしょ。
そういう「知的」な戦い方をしていても変じゃないと思う。
で、次にアミタ。
まあこれは一番ムカつくから、次に叩いた感じかね。
理性で保健室の先生と犬を最初に倒し、感情で次にアミタを叩いたってとこかね。
最後に「ヴィータ&シグナム」組。
守護騎士の主力だね。
ところがこれもあっさり倒されちゃう。
ヴィータも吹っ飛び
シグナムも敗れて
汚い花火になるwww
もう、この2人が倒された時点で詰んでるんだけど、最後に倒されたことで「あ、これ終わったな」感が強まる。
というわけで、あとは「なのは&フェイト」が頼みの綱。
かなり追い込まれた状況ってわけだ。
先に言っちゃうと、下に書いた通り「なのは&フェイト」もやられるんだよね~。
はやても敗れて、闇の書は奪われてしまうわけ。
この5分間が最高に楽しい。
中盤の大きな見どころだと思う。
後編でもたくさんバトルシーンがあるけど、僕はやっぱりここが一番好きかな。
ちなみに、この「キリエVS守護騎士編」では、
シグナムの「レヴァンティン折れた!? あ、やべっ……」って表情と
その後のキリエの「どや顔」がたまらなく好きwww
シグナムってプライド高いから、こういう強い敵にたまにボコられるシーンがあると興奮するんだよね。
僕ワクワクしちゃうwww
【見どころ2】フェイトもなのはも左ほほをぶん殴られて倒される
というわけで、守護騎士やられる。
残る「なのは&フェイト」はどうやって倒されるんだろうって思ってたら、コブシっすよコブシwww
フェイトはワンパンでノックアウト。
なのはもぶん殴られる。
聞いたことねえよ、パンチで顔面殴られる魔法少女なんてwww
しかも映画でだよ? 映画でwww
アニメ映画の主役が敵キャラに頬殴られますかね普通?www
ほんとこのシーンもたまらない。
※フェイトは再起不能になりますが、なのはのみもう一度立ち上がります。しかし、キリエが威嚇射撃をしてきたため「これ以上の深追いは危険」と判断したのか、キリエの逃亡を許してしまいます。夜天の書は奪われます。(不本意だと思うけど)
んで、残るは「はやて」のみってことになるんだけど。
目の前で、なのはもフェイトもぶん殴られて倒されてるんだから、命乞いしてもおかしくないレベル。
ところがこの表情ですよ。
見ました? はやての表情。
超絶カッコいいwww
もちろん、このあとキリエにサクッと倒されますが、さすがのちの部隊長。
ぼくも八神隊長についていきたい。
【見どころ3】最弱のリインが最後まで必死の抵抗を見せる涙ぐましい展開
最後がリインね。これがいいんだわまた。
はやてもやられちゃった。
まあ、なのはとかフェイトに比べたら弱いからね。しゃーない。
なのはもフェイトもやられてるんだけら、はやてもそりゃやられますわ。
でも、顔殴られはしなかった。
一応、目的の「夜天の書」の所有者には敬意が払われた結果だと思う。
というか、舐めプだったのかもしれないとも思えるけど。
そして、最後の最後に戦ったのがリインなんだよ。
ここもアツい。
あのリインフォースⅡですよ?
ちっこい体で必死に戦うんですよ。戦うっていうか、抵抗だけど。
キリエが「ガッ」って掴むじゃないですか、
そしたらリインが覆いかぶさるようにして夜天の書を守ろうとするんですよ。
もうね、このシーンも好きなんだわ。
だってリインですよ?
最弱ですよ、いま戦ってきたメンバーの中では。
リインこそサポート専門じゃないですか。
それでも守るんですよ。
使える技って言ったって、この程度の氷結っすよ。
冷蔵庫の「霜」レベル。
攻撃ですらない。抵抗にもなっていない。
もうね、涙なしにこのシーン見てられないっすよ。
でリインがこんなこと言うんですよ。
これは、はやてちゃんの大切なものなんです
空に還ってしまった先代が残してくれた、たった一つの宝物なんです
だから…… うぅ……
もう「お願い」に近いですよwww
敵に「お願い」ですよ? 分かります?この悲しみ
正義の側が悪人の情に訴えて、見逃してもらおうとするなんて、もうヤバい状況。
これにはさすがのキリエさんもこの表情。
良心が痛む、痛むwww
あれ?…… おれ今なんのアニメ見てるんだっけ?って思ってくるレベルで僕の心まで痛んでくるっていうねwww
でもキリエとしても、今さら後戻りはできない。
心を鬼にしてリインに銃口を向け、
この一条ですよ。
分かります? この悲しい攻撃。
さっきまで「大出力」で戦ってた銃ですよ?これ
前線メンバーをボッコボコにした武器ですよ?
でも、リインに向けてはこの制御ですよ。
必要最低限でリインを倒す。
舐めプとかそういう類のものじゃないよ、これは。うん。
敬意だよ敬意。
正々堂々戦ってるんだよ、リインと。
リインですら精いっぱい戦ってるんだよ。
もう、ほんとこの5分間の戦闘シーンだけで、この映画みる価値あると思うね。
絶望感が半端ない。
【びっくりしたシーン】流れた血は自分とお姉ちゃんのもの
話はさかのぼって。
びっくりしたんだけど、姉妹喧嘩半端ないんだよね。
キリエは基本的に「無関係な人を極力傷つけない(フェイト式)」って方針で悪さしてるんで、流血沙汰なんてもってのほかなんでしょうけど、血は流れたんですよね。
ここも見逃せない。
誰の血か。
そう「自分」と「お姉ちゃん(アミタ)」のだよ。
このシーン、びっくりしたなあ。
普通は、親愛なるお姉ちゃんにヘッドロックされて力づくで制止されたら、もうあきらめるじゃないですか。
でも諦めないんですよキリエは。
むしろ劣等感が爆発しちゃうんですよ。
で、最悪な展開になるんですけど、何と言ってもアミタからどうやって振り切るのかと思ったら、「自爆」に近い行為。
自分の腹を撃って
背後にいるアミタを撃つんですよwww
これ本当に悲しい気持ちになった。
でも、これでもアミタもキリエも回復するんだよね。
エルトリア人TUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwww
で、やっぱりお姉ちゃん(アミタ)はキリエに撃たれても、引き続き止めに入るんだよね、何度も何度も。
姉妹愛、ごちそうさまでした。
まとめ
頼む! なのは!
イリスも救ってくれ!
このままじゃイリスがただの悪者だ。
キリエはもちろん、イリスも救わないとダメだ。
イリスも絶望の中にいるんだ。
お願いだ。イリスの魂も救ってくれ。
頼む!!!
また、なのはの映画の話で申し訳ない
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
イリスってたぶん「なのは達に出会えなかったキリエ」なんだろうなーと。そしてイリスにはイリスがそばにいなかったから、無力感に打ちのめされたまま、ただただ死ぬしかなかったんだろうなって思う
でも憎しみだけは残った、と。
…悲しい話だなあ(小並感)
アミタの最後のほうのセリフで「泣いてる子を助けてくれる魔法使いはちゃんといました」ってのがあって、むろん「なのは=魔導師=魔法使い」なんだろうけど、個人的には「神様はここにいました」的な意味にも僕は聞こえた
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
惑星エリトリアに宗教ってあるんすかね?
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
あの世界に心を救ってくれるとか、魂を救済してくれる存在って概念はあるのだろうか。
アミタお姉ちゃんが昔読み聞かせたという、絵本の中の「魔法使い」ってのは神様を象徴してる寓話なんじゃないかな。ちょっとうまく言えないけど。
なのは世界って無宗教な雰囲気あるじゃん。聖王教会ってのも実際のところはよく分からないし。ただの政治結社なんじゃないかって思ってるけど
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
故郷と住民を助けようとしたパパが不治の病に侵されるとかっていう、もう自分の力ではどうしようもない理不尽なときに「祈る対象」が存在しない無慈悲な世界
だからキリエも思いつめちゃったんじゃないかなって思ってさ。祈ることができれば、というか、もう少し理詰めじゃなくて「あそび」のような部分があれば、キリエもあんなことをしなかったのではないかと。もっと他の方法を模索したのではないかと。神無き世界の神頼みをこじらせた結果があの映画かと。
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
映画のパンフレットとか雑誌のインタビューとかに、その辺の裏設定みたいな資料がないかなあ~。
— コモリヤスハル (@yass_cample) August 4, 2018
とにかくね、僕も「どうしたらキリエを救えるか」について、なのはと一緒に考えてる感覚あるよ今www
【蛇足】書ききれないことはそのうち追記します
フェイトがリンディさんのことを初めて「母さん」って呼んだ日も描いているよね、この映画。
ここについても取り上げたいんだけど、すでにかなり長くなってるからまた後日追記したい。
そしてマテリアルズについてほとんど触れてないwww
ユーリのえちえちな衣装についても、上から下まで舐めるように語りつくしたいのだけれど時間がない。
とりあえずここまで公開しておく。
ほんと、書きたいことがいっぱいある100分の映画だった。
後編の劇場版公開が楽しみでならない。