「世界地図」と言われて思い浮かべるのは、たぶん「メルカトル図法」の世界地図だと思います。
こんなやつ↓
でもメルカトル図法って、たぶんみなさんも学校で習ったと思いますが「面積」が狂ってるんですよね。
ここ、かなり重要。
だからメルカトル図法の地図を思い浮かべながら
「ロシアは超デカい」とか
「グリーンランドは超デカい」とか
「南極は超デカい」とか
「日本は狭小クソ国家」とか思うのは
実は間違いなんですね。
大きいのはまあいいとして、超絶デカいかどうかはまた別のお話。
もしかしたらそれ、メルカトルマジックかもしれません。
ご注意を! ということです。
ちょうどいいサイトがあるので参考にしてみてください。
色んな国を上下左右に自由に動かしながら「面積」の比較ができます。
メルカトル図法ではどのように地図が「歪む」のかよく分かるので、なかなか面白いと思います。
いろいろ遊んでみてください!
- 比較サイト『The True Size Of ...』で遊んでみよう!
- ロシアの面積はメルカトル図法だと大きく見える
- グリーンランドの面積はそんなに大きくない
- 南極もそれほどデカくない
- 日本の面積はメルカトル図法だと小さく見える
- まとめ
- 蛇足
比較サイト『The True Size Of ...』で遊んでみよう!
面積を比べられるサイトってのがこれ。
「The True Size Of ...」です。
使いかたは簡単。
左上の検索窓で国名を検索して、選択するだけ。
選んだ国が色付きで表示されるので、好きなところに移動します。
消したいときは右クリックしてください。
詳しい使いかたは、GigaZiNEの記事が分かりやすいかもしれないです。
世界の国の本当の大きさを地図上で簡単に比較できる「The True Size Of ...」 - GIGAZINE
ロシアの面積はメルカトル図法だと大きく見える
では遊んでみましょう!
まずは「ロシア」から。
面積と言えばロシアですよね~。
世界一デカい国です。
でもそんなロシア連邦は「高緯度」の国。
なので、メルカトル図法だと面積が狂ってます。
試しに日本の西隣にロシアを置いてみましょう。(中国のあたりに置いてみる)
するとこんな感じ。
だいぶ薄くなったと思いません?
メルカトル図法だと相当歪んでるってことです。
あと、お気づきでしょうか……。
海岸線をよく見てください。
北側の海岸線に注目してほしいんですが、移動したらかなり形が変わってますよね?
そうなんです、これもメルカトルマジック。
歪むんですよ、国の形が。
半島の大きさとか、角度とかも全然違いますよね?
これ全部メルカトル図法特有の歪みです。
と言ってもまあしょうがないですよね、球体を平面で表そうとしてるんですから。
でもやっぱりメルカトル図法だと「角度」は正しいんですが、世界が歪んで見えてしまいます。
「海岸線の歪み」についてもっと言えば、分かりやすい事例が「カナダ」。
地味に、ロシアに続く世界第二位の面積の国です。
このカナダの北側の海岸線に注目。
赤道付近までカナダを持ってくると、実はそんなに海岸は入り組んでない。
いつもの地図(メルカトル図法)はカナダの北側って砕け散ってますよね?www
でも実際はそうでもないという……。
メルカトル図法とは、こういうものです。
ここまででメルカトル図法の「歪み」がよく分かったと思う。
グリーンランドの面積はそんなに大きくない
お次は「グリーンランド(デンマーク王国)」。
こちらも世界的に誤解があるらしいですね、面積のイメージについては。
なぜなら高緯度にある地域だから。
つまり、めっちゃ歪んでます。
試しに赤道付近まで下げてみましょう。
こんな感じ。
ちっさwww
日本と重ねてみるとこんな感じ。
もちろん日本よりデカいことはデカいんですが、それほど極端にデカいわけじゃない。
でもメルカトル図法だとこんなになっちゃう。
やり過ぎメルカトル!www
グリーンランドって「上がデカくて下が細長い形」じゃないんです。
それほど太さが変わらない寸胴型の形をしてるんです。
ここ大事です。
覚えておいてください。
さすが「メルカトル図法」の説明に出てくるだけある、グリーンランドの「怪」だ。
高緯度のグリーンランドの面積は実際より17倍も拡大されている。(メルカトル図法 - Wikipedia)
10倍以上誇張されてるからね、メルカトル図法だと。
ヤバイよこれ。
国の面積10個分も水増しして表示してるとかあり得ないでしょ。
南極もそれほどデカくない
極めつけは「南極」ですよ「南極」!
最近アニメもやってましたね~。
南極と言えば、メルカトル図法だとこんなにデカく描かれてる。
もうめちゃくちゃwww
盛り過ぎィ!www 盛り過ぎィ!www
実際はこんなもんだからぁ!!!www
狂ってるぜメルカトル!!!www
でもそれだけにロマンがあるんだよね。
ゆえに人は南極を目指すんだ。
南極人もいるって聞くし……。
日本の面積はメルカトル図法だと小さく見える
最後は、我らが「日本」!
ヨーロッパに持っていくとこんな感じ。
バルト海に置きたかったからちょっと上のほう(高緯度)に置いてるけど
それを差し引いても、面積はドイツと同じくらいだからね。
「日本わりとデカいじゃん!」って思えてくる。
実際、世界の国の面積ランキングでいうと、上位30%に入るからね。(240以上ある国の中で60番目くらい)
過大評価することは無いにしても、過小評価するほどでもないと思うよ。
逆に日本をロシアのほう(高緯度)に持っていくとこんな感じ。
形はそのままに! デカいデカいデカいwww
スタンドかな?www
まとめ
はい、そんなわけでざっくりまとめるとこんな感じ!
メルカトル図法の「面積」がいかに当てにならないかよく分かる画像
— コモリヤスハル (@yass_cample) June 5, 2018
1枚目:日本をヨーロッパに置いた場合(日本デカいwww)
2枚目:ロシアを中国の位置に置いた場合(ロシア小さいwww)
3枚目:日本をロシアの位置に置いた場合(日本デカ過ぎィ!www)#地図 #社会 #メルカトル #世界地図 pic.twitter.com/HKs78ayWc4
まあ、日本は「デカい」っていうか
「南北に長い」って感じだけどさ。
つくづく島が点々とつながってる国なんだなあって思う。
チリほどのスリム体形じゃないけど、東西南北に日本の範囲は広いなあ、と。
そんなわけで今日はメルカトル図法のお話でした。
メルカトル図法って「角度」は正しいんだけど、「面積」が狂ってるんだよね。
これに留意しようってこと。
世界地図にはいろんな種類があってどれも一長一短。
用法に合わせて使い分けましょうって学校で習ったはずだよね。
どんな地図も「球面」を「平面」に表そうとしてるんだから土台無理な話なんだよそもそも論として。どっかに無理が生じる。
ただ、それはいいとして「メルカトル図法」しか頭の中にないと、面積比較についてはついつい誤解しがち。冒頭で言ったように。
「ロシアは超デカい」とか
「グリーンランドは超デカい」とか
「南極は超デカい」とか
「日本は狭小クソ国家」とかetc.
大小の比較についてはある程度正しいとしても、実はそこまで極端な差じゃないってことがメルカトル図法には多すぎる。
メルカトル図法の世界地図を使うときは気を付けようね!
知らず知らずのうちに世界が歪んで見えてしまうぞ!
本州島は、世界で7番目に面積が広く、世界で2番めに人口の多い島である。ということは覚えておいて損はないかも。 https://t.co/JtoBDC0CRl
— らくからちゃ (@lacucaracha) June 5, 2018
こマ? >RT
— コモリヤスハル (@yass_cample) June 5, 2018
蛇足
ちなみに、このサイトで「Japan」を選択すると、なぜか「択捉島」と「国後島」と「色丹島」と「歯舞諸島」が日本に含まれていない。
なんでなんでしょうかねえ?(ニヤニヤ)
北海道に住むものとして、かなり疑問です(ニッコリ)
サイト側のバグなんでしょうか......?(すっとぼけ)
※なお当該地域はロシアにも含まれていませんでした。