「ほっともっと」と「ほっかほっか亭」の違いは「運営会社の違い」です。
つまり「ほっともっと」と「ほっかほっか亭」は似てるけど全く別の会社だということを、まず押さえておきましょう。
元々2つは「ほっかほっか亭」という名前で全国展開していました。ところが色々揉めて裁判沙汰にまでなった結果、「分裂」しています。
その経緯を踏まえると「似ている」のは当然のことなんですよね。詳しくは本文で書きますが、間違っても「似たような名前でお店を出しているグループ企業」みたいなイメージは完全に間違いなので注意してください!
10年前に色々あったんです。分裂したのが2008年。ブランドが分裂する事態になったので、非常に分かりにくくなってるんですよね。
大手と言えば「ほっともっと」ですが、こちらは「株式会社プレナス」が運営しているチェーンです。
▼株式会社プレナス
「ほっともっと」は店舗数が1番多く、業界最大手の持ち帰り弁当屋です。言うまでもありませんね。店舗数が多いので、よく街中で見かけます。
一方で「ほっかほっか亭」は「株式会社ハークスレイ」が運営しています。
▼株式会社ハークスレイ
最初は「ほっともっと(プレナス)」も「ほっかほっか亭」のフランチャイズとして展開していました。なので「ほっかほっか亭」が「元祖」ということになります。
ただ、以下本文に書いた色々なことがあって分裂し、現在は「元祖」であるはずの「ほっかほっか亭」は業界3位にとどまります。
この記事ではその「いろいろ(経緯)」について解説します。
「そう言えば、ほっともっととほっかほっか亭って何が違うの?」って気になった人は、読み進めてください。(可能な限り分かりやすく書いたつもりです)
元々「ほっかほっか亭」でやっていたんですが、お家騒動でプレナスさんが追い出されて商標使えなくなり、「ほっともっと」になったのね。
— へめる (@Nyannko100081) February 28, 2019
お家騒動終結までは、「ほっかほっか亭」と「ほっともっと」が乱立してて、当時は混乱したなぁ。
参考までに…https://t.co/cQ46eqWD28
これはこれは始めまして!
— へめる (@Nyannko100081) February 28, 2019
そうですね、子供の頃から「ほか弁」で慣れ親しんでましたが、急な対立で当時は地元でも大混乱でしたよ。
変な憶測も飛び交ってそれはもう…
今はもうほっともっとで通用するので、当時の事を知ってる方も少ないかなと…
記事を拝見し、再確認できて良かったです。
いえいえ、こんな事もあったなと、忘れぬよう記憶に留めておきます。
— へめる (@Nyannko100081) February 28, 2019
商標権を巡る争いで分裂した「ほっかほっか亭」
元祖は「ほっかほっか亭」です。
みなさんの記憶にもよく刻まれていることと思います。
「ほっともっと」なんてお店、最初は無かったですよね?
私の高校時代(10年くらい前)に弁当屋といえば「ほっかほっか亭」しかありませんでした。
それが変わったのが2008年のこと。
「ほっともっと」が生まれ、「ほっかほっか亭」と並立した状態で現在に至ります。
「ほっかほっか亭」がまさか分裂するとは思わなかったので、当時はちょっと衝撃的でしたね。
「ほか弁」って略して読んでいたので、「これからは『ほも弁』かよwww」とか考えていたのをよく覚えています。笑
要するに、元祖は「ほっかほっか亭」だけどそれが分裂して2008年に「ほっともっと」もできたってことですね。勘違いしないで欲しいのは、「ほっかほっか亭」が「ほっともっと」という新しい看板を掲げたというわけでは無いというところ。
「ほっかほっか亭」はそのままに、「ほっともっと」という新しいブランドが「ほっかほっか亭」とは別の運営会社の下で誕生した、ということです。分かりにくいので注意です!
あれから11年……。
皮肉にも、喧嘩して出て行った側である「ほっともっと」が現在業界ナンバーワンです。
元祖・「ほっかほっか亭」は現在業界第3位に転落しています。まさかの事態ですね……。
分裂するまでの流れ
分裂するまでの流れを簡単に見ていきましょう。
「株式会社ほっかほっか亭」創業
↓
「株式会社ほっかほっか亭総本部」設立
↓
3地域本部制を導入
↓
総本部の下で、
- 東部地域は「ほっかほっか亭社」が担当。
- 関西地域は」「ハークスレイ社」が担当。
- 九州山口地域は「プレナス社」が担当。
↓
ほっかほっか亭がダイエーの傘下になる。=ダイエーが東部地域を担当
↓
総本部もダイエーの子会社になる。
↓
ダイエー(東部)もハークスレイ(関西)もプレナス(九州山口)も「ほっかほっか亭」という看板で営業。(フランチャイズ)
↓
ダイエーが経営不振に陥った。
↓
プレナスがダイエーから「ほっかほっか亭」を引き継ぐ。=東日本も担当することに。
で、ここでひとつ問題が起きます。
それは「ほっかほっか亭」という看板は誰のものなのか、という点です。
つまり「商標権」ですね。
プレナスがダイエーから引き継いだのは「総本部の株式44%」と「ほっかほっか亭の株式」です。
「ほっかほっか亭」の商標は、ほっかほっか亭が持っていたので
その「ほっかほっか亭」を取得したプレナスは総本部に対して「『ほっかほっか亭』って看板使ってるよね? 商標使用料、払って!」と主張しました。
ところが「総本部」はそれを「独占的使用権」を盾に拒否します。
独占的使用権ってのは「商標権」とはまた別もので、簡単に言うと「契約で決めた権利」のことです。
どっちも主張を譲らなかった結果、裁判となりました。
全面戦争に突入です。
そして判決が出たわけですが、結果として「プレナス側」が負けてしまいました。
理由としては、確かに「商標権」についてはプレナス側にある点が認められたのですが、「商標を無償で使用する権利が総本部にある」というものでした。
プレナスとしては悔しい展開ですね。
さて今度は「総本部」のターンです。
逆に総本部側はプレナスの「叛逆」に対して報復します。
なんと、残りの株式をハークスレイに売却してしまったんですね。
その上で、プレナスの「ほっかほっか亭」運営に関する「フランチャイズ契約」の延長申請を拒否しました。
つまり「プレナスは『ほっかほっか亭グループ』から出ていけ」って意味です。完全に決別ですね。
「反逆者」は徹底的に排除、というわけ。プレナス排除の姿勢ですね。
株式の関係で言うと「総本部」が「親」で、「ハークスレイ」と「プレナス」は子にあたるので「きょうだい」のようなものです。
ところが、この時点の株式関係を見てみると、親であるはずの総本部は子であるハークスレイとプレナスに分割所有されているというちょっと変な状況に陥りました。
結局、締め出しを食らった「プレナス」側は「ほっかほっか亭」の看板を下げざるを得なくなり、独自のブランド「ほっともっと」を立ち上げるしかなくなります。
つまり「ほっともっと」は「ほっかほっか亭」を出ていく形で、新たにスタートしたんですね。
これが2008年の5月のことでした。
いわゆる「ほっかほっか亭」の分裂と「ほっともっと」誕生です。
最初は私も「『ほっともっと』とかwww 変でしょwww 語呂悪すぎwwwwwwwwww」なんて思ってました。
ただ、10年も「ほっともっと」って呼んでると違和感なくなりますよね。
時の流れは恐ろしい。
慣れって怖いね。
ほか弁を買ってきたけど、おかずのみにして、ごはんの代わりにゆでキャベツを食べてるよ。
— HAGI (@haginohagi) March 21, 2019
まじで意識高い。
裁判で負けて勝負で勝つ|「ほっともっと」と「ほっかほっか亭」のその後
骨肉の争いから10年。
もともと、エリア的には最大の範囲をカバーしていたプレナスが「ほっともっと」になったわけですから、相対的に「ほっかほっか亭」が小さくなってしまうのは必然のことです。
分裂騒動で「ほっともっと」も「ほっかほっか亭」も業界1位の座から転落しましたが、その後ほっともっとが怒涛の追い上げをして、現在業界ナンバーワンの地位を占めました。
面白くないのは総本部の側ですよね。
総本部はその後、プレナスがまだ「ほっかほっか亭」だった時代に新ブランド「ほっともっと」を宣伝した、などという訴えを起こしました。(これまたプレナスが負けています)
裁判では負け続けたプレナスですが、結局業界最大手の地位を占める「ほっともっと」がビジネスの勝負では勝ったということになりましょうか。
う~ん、皮肉なものですねえ。
まとめ
「後からやってきたやつが先に始めたやつを追い出す」みたいな話は、後味が悪いですね。
最近見た映画なんですが、マクドナルドもこれと似た状況だったかもしれません。
時代はかなり前ですが。
フランチャイジーである側がマクドナルド兄弟のハンバーガー店を乗っ取っり、兄弟を追い出した経緯があります。
映画が分かりやすくておすすめです!
マクドナルドに行きたくなりますよ!笑